金大煥『黒雨』(Sound Space、1991年)を聴く。
Kim Dae Hwan 金大煥 (perc)
Kang Eun Il 姜垠一 (ヘーグム)
大きな音量で聴くと、金大煥のパーカッションの鼓動のような感覚とが、大波のように、また空気のように、周囲を取り囲み、身動きが取れなくなる(本当)。かれは3本ずつのスティックを両手に持ち、マレットで長く大きな響きを、細いスティックで火花を創りだしている。生前にこのパルスを体感できなかったことが残念だ。
演奏は主にソロ、ときに姜垠一の弦楽器ヘーグムが入ってくる。これもまた、こぶしをきかせた歌や叫びのようであって、身体の内奥に届く。2013年の「ユーラシアンエコーズ第2章」で姜垠一を観たときには、空間を大きな断ち鋏で切り裂いていくようだと感じた。本盤を聴くと、さらにか細いほどの繊細さも同時に伝わってくる。
●金大煥
齋藤徹ワークショップ「寄港」第ゼロ回@いずるば(2017年)
友惠しづね+陸根丙『眠りへの風景』(2012年)
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●姜垠一
映像『ユーラシアンエコーズII』(2013年)
ユーラシアンエコーズ第2章(2013年)