Sightsong

自縄自縛日記

マイケル・フォルマネク『Time Like This』

2018-12-08 09:51:16 | アヴァンギャルド・ジャズ

マイケル・フォルマネク『Time Like This』(Intakt、2018年)を聴く。

Michael Formanek (b)
Tony Malaby (ts, ss)
Kris Davis (p)
Ches Smith (ds, vib, Haitian Tanbou)

枯草から血流まで同時にあわせもつテナーはトニー・マラビーしかいないのではないかと思える。本盤でもずっとサウンドをそのあり得ない音で覆っているのだが、他のメンバーも曲者ばかりであり、マラビーの下でじっとしているわけではない。

クリス・デイヴィスが差し込んでくる音をクリスタルの楔だとすれば、チェス・スミスのドラムスもヴァイブも安寧に対する亀裂のようなものであり、両者とも文字通り「刺激」。リーダーのマイケル・フォルマネクも実はよく聴いてみると変拍子でおかしなことをやっている。

ライヴでかれらの挙動に満遍なく視線を行き渡らせたいところ。

●マイケル・フォルマネク
サムスクリュー『Ours』、『Theirs』(2017年)
メアリー・ハルヴァーソン『Code Girl』(2016年)
メアリー・ハルヴァーソン『Thumbscrew』(2013年)


スティーヴ・キューン『To And From The Heart』

2018-12-08 00:03:51 | アヴァンギャルド・ジャズ

スティーヴ・キューン『To And From The Heart』(Sunnyside、-2018年)を聴く。

Steve Kuhn (p)
Steve Swallow (b)
Joey Barron (ds)

やはりここで甘い腐乱臭とともに聴く者を変態世界に引きずり込むのはスティーヴ・スワロウなのだ。聴くたびに変態変態と言ってしまい失礼なようだが仕方がない。

かつては同じような香りを放っていたキューンは、いまでは流麗さばかりが目立つ。だが「Never Let Me Go」ではついつい本性が出たかのようにプレイする。

●スティーヴ・キューン
ジェイムスズー『Fool』(2016年)
スティーヴ・キューン『Jazz Middelheim 2015』(2015年)
アート・ファーマー『Sing Me Softly of the Blues』(1966年)

●スティーヴ・スワロウ
カーラ・ブレイ『Andando el Tiempo』(2015年)
スティーヴ・キューン『Jazz Middelheim 2015』(2015年)
カーラ・ブレイ+アンディ・シェパード+スティーヴ・スワロウ『Trios』(2012年)
チャーリー・ヘイデンLMO『Time/Life』(2011、15年)
スティーヴ・スワロウ『Into the Woodwork』(2011年)
ケニー・ホイーラー『One of Many』(2006年)
ポール・モチアン『Flight of the Blue Jay』(1996年)
日野元彦『Sailing Stone』(1991年)
ゲイリー・バートンのカーラ・ブレイ集『Dreams So Real』(1975年)
ゲイリー・バートン+スティーヴ・スワロウ『Hotel Hello』(1974年)
アート・ファーマー『Sing Me Softly of the Blues』(1966年)
ポール・ブレイ『Complete Savoy Sessions 1962-63』(1962-63年)

●ジョーイ・バロン
ヤコブ・ブロ『Streams』(2015年)
スティーヴ・キューン『Jazz Middelheim 2015』(2015年)
ジョン・ゾーン『Spy vs. Spy』(1988年)