MoE+メテ・ラスムセン『Tolerancia Picante』(Conrad Sound、2018年)を聴く。
MoE:
Guro Skumsnes Moe (b, vo)
Joakim Heibø Johansen (ds)
Håvard Skaset (g, synth)
Mette Rasmussen (sax)
MoEは静寂から怒涛の爆音までレンジの広いノイズを出す。そのためにノイズでありながら静かなポケットに入ってしまったように感じることも、四方八方から音圧で攻められることもある。今回の日本ツアーはドラマーが同行できなかったわけだが、なるほど、かれが入るとより「展開」的になって、どちらも面白い。
そしてメテ・ラスムセンである。この音量的にも質的にも、また経時的にも幅広いMoEのサウンドの中で(というか、融合して)、半端なく密度がミチミチに詰まったアルトを吹く。身体と一体化したアルトとはこういうことだ。滑らかな管の共鳴も、濁りも、切れそうな高音のピキピキ音もある。暗い宇宙をうねるMoEサウンドとともに波動砲を放ち続ける。
メテさんは間違いなく最強アルティストのひとり。
●メテ・ラスムセン
メテ・ラスムセン+MoE@東高円寺二万電圧(2019年)
Kiyasu Orchestra Concert@阿佐ヶ谷天(2017年)
メテ・ラスムセン@妙善寺(2017年)
メテ・ラスムセン+クリス・コルサーノ@Candy、スーパーデラックス(2017年)
メテ・ラスムセン+クリス・コルサーノ@Candy(JazzTokyo)(2017年)
メテ・ラスムセン+タシ・ドルジ+タイラー・デーモン『To The Animal Kingdom』(2016年)
メテ・ラスムセン+タシ・ドルジ『Mette Rasmussen / Tashi Dorji』(2016年)
ドレ・ホチェヴァー『Transcendental Within the Sphere of Indivisible Remainder』(JazzTokyo)(2016年)
メテ・ラスムセン+クリス・コルサーノ『A View of The Moon (from the Sun)』(2015年)
メテ・ラスムセン+ポール・フラハーティ+クリス・コルサーノ『Star-Spangled Voltage』(2014年)
シルヴァ+ラスムセン+ソルベルグ『Free Electric Band』(2014年)
メテ・ラスムセン+クリス・コルサーノ『All the Ghosts at Once』(JazzTokyo)(2013年)
『Trio Riot』(2012年)