ダラー・ブランド『The Journey』(Chiaroscuro Records、1977年)を聴く。
Abdullah Ibrahim (p, ss)
Carlos Ward (as)
Talib Rhynie (as, oboe)
Hamiet Bluiett (bs, cl)
Johnny Akhir Dyani (b)
Claude Jones (congas)
John Betsch (perc)
Roy Brooks (perc)
Don Cherry (tp)
壮大だとか何とか喧伝されるわりにはリラックスしていて、この5年ほど前にドン・チェリー、カルロス・ワードという同メンバーで吹き込まれた『The Third World - Underground』(1972年)よりも好感を覚える。ハミエット・ブリューイットもドン・チェリーもリラックスしている。
ダラー・ブランドがバディ・テイトと組んだ異色盤のわずか後の吹き込みでもあるが、それも聴いてみると肩透かしをくらうほど自然な演奏だった。ブランドの音楽が、オリエンタリズムの視線や越境というコンセプトに商売として使われていたということだろう。三曲目の「Haji (The Journey)」を聴くと誰もが『African Piano』を思い出してしまうと思うのだが、すなわち、ブランドの受容については一連の作品によってとらえなければならないということか。
●ダラー・ブランド/アブドゥーラ・イブラヒム
マックス・ローチ+アブドゥーラ・イブラヒム『Streams of Consciousness』(1977年)
ダラー・ブランド+ドン・チェリー+カルロス・ワード『The Third World - Underground』(1972年)