小川紳介+小川洋子『幻の小川紳介ノート』(シネ・ヌーヴォ、2022年)
映画作家・小川紳介が映画祭での上映に際してトリノを訪れたときの日記が、『幻の小川紳介ノート』として出版されている。
毎回のイタリア料理を事細かに記録していて、帰国してからも自分で再現して振舞ったらしい。ベルリンに初めて足を運んだときも、詳細な地図を渡されたら夢中になって、まだ旅の前なのに「あの角を曲がるとあの店があって」などと話していたという。
なるほど、こういう人だったからこそ『1000年刻みの日時計-牧野村物語』においてドキュメンタリー映画として破綻するのではないかというほどにコメ作りの過程を饒舌に示しもしたわけだ。その意味では三里塚のシリーズもディテールが命である。
●小川紳介
小川紳介『1000年刻みの日時計-牧野村物語』(1986年)
小川紳介『牧野物語・峠』、『ニッポン国古屋敷村』(1977、82年)
小川紳介『三里塚 五月の空 里のかよい路』(1977年)
福田克彦『映画作りとむらへの道』(1973年)
小川紳介『三里塚 辺田』(1973年)
小川紳介『三里塚 岩山に鉄塔が出来た』(1972年)
小川紳介『三里塚 第二砦の人々』(1971年)
小川紳介『三里塚 第三次強制測量阻止闘争』(1970年)
小川紳介『日本解放戦線 三里塚』(1970年)
小川紳介『日本解放戦線 三里塚の夏』(1968年)
『neoneo』の原発と小川紳介特集