戦場に限らずセンセーショナルな写真を撮るカメラマンに対しては、「良く撮った!」と思う反面「このハイエナ野郎が!」と感じることもある。ピュリッツァー賞のカメラマンが「カメラマンとしては最高かもしれないが、人間としては最低だ」的な批判を浴び、後に自殺したのを覚えていらっしゃるだろうか。たぶん、その批判者と部分的に共通するものだ。
突撃カメラマン(と呼んで差し支えないだろう)不肖・宮嶋氏、今回はコソボ紛争真っ只中に向かった。出だしから強烈、当初の目的地・スコピエに降りられずギリシアのテッサロキニにダイバートした飛行機からさっさと降り(山ほどある荷物は機内持ち込みにしていたんだろうか?)、当局と交渉して無理やり?入国してしまう。そして陸路で紛争地域へ…以下、獅子奮迅・右往左往・東奔西走の活躍ぶりが綴られている。フリーだからこその身軽さ、渡れるヤバイ橋。そしてあまたの危険と引き換えに得るものは、(少なくとも物質的には)はるかに少ない。
1枚の写真は、綿々とした文章より遥かに説得力を持つ場合がある。しかしこの本に収められている氏の写真を見ても、本文の苦闘ぶりや見聞きした戦場の悲惨さはなかなか伝わって来ない。もっともカメラマン本人の苦労は、見る人間にとっては関係ないことなのだが。
どちらかと言えばこの本を肯定的にとらえたいが、本人の「結局は戦争の修羅場が好きなのだ」という正直なコメントを読むとどう評価して良いものやら迷ってしまう。単なるテレか、心底そう思ってるのか。そういう人格と作品とを切り離してみれば済むのか(撮影の背景や苦労を知らなければそうだよね?)。
ただ一つ言えるコト。私、こんなにヤバイ所へは行ったりしませんから!(それだけに著者をソンケーしちゃったりもするのだ)
2007年8月26日 上海のホテルにて読了
突撃カメラマン(と呼んで差し支えないだろう)不肖・宮嶋氏、今回はコソボ紛争真っ只中に向かった。出だしから強烈、当初の目的地・スコピエに降りられずギリシアのテッサロキニにダイバートした飛行機からさっさと降り(山ほどある荷物は機内持ち込みにしていたんだろうか?)、当局と交渉して無理やり?入国してしまう。そして陸路で紛争地域へ…以下、獅子奮迅・右往左往・東奔西走の活躍ぶりが綴られている。フリーだからこその身軽さ、渡れるヤバイ橋。そしてあまたの危険と引き換えに得るものは、(少なくとも物質的には)はるかに少ない。
1枚の写真は、綿々とした文章より遥かに説得力を持つ場合がある。しかしこの本に収められている氏の写真を見ても、本文の苦闘ぶりや見聞きした戦場の悲惨さはなかなか伝わって来ない。もっともカメラマン本人の苦労は、見る人間にとっては関係ないことなのだが。
どちらかと言えばこの本を肯定的にとらえたいが、本人の「結局は戦争の修羅場が好きなのだ」という正直なコメントを読むとどう評価して良いものやら迷ってしまう。単なるテレか、心底そう思ってるのか。そういう人格と作品とを切り離してみれば済むのか(撮影の背景や苦労を知らなければそうだよね?)。
ただ一つ言えるコト。私、こんなにヤバイ所へは行ったりしませんから!(それだけに著者をソンケーしちゃったりもするのだ)
2007年8月26日 上海のホテルにて読了