著者は、戸部良一・寺本義也・鎌田伸一・杉之尾孝生・村井友秀・野中郁次郎。
大東亜戦争(と本書では定義している)でこっぴどく負けた日本(軍)の敗因を、直接の兵力とか作戦とかでなくその前提となる考え方(本質的原因)について考察した書。あまたの戦記は歴史家によって書かれているのだろうが、本書はいわば門外漢によって書かれている。ただし、戦記の門外漢ではあっても、経営組織などのプロフェッショナルである(野中郁次郎氏など、経営学部の学生だった頃よく馴染んだ名前だ)。ノモンハン事件、ミッドウェー海戦、ガダルカナル、インパール、沖縄。大敗した各作戦の状況経過の説明と共に、現場指揮官や幕僚、大本営の動きなどが書かれてゆく。
であるので、本書は大東亜戦争の個々の作戦のケーススタディ。失敗から、日本軍の組織や意思決定の問題点を追究した書であり、単に戦記を読みたい人には向かない。逆に、失敗事例から物事の本質的な問題点を追究する姿勢を学びたい人には面白く読めるはず。
愉快な本ではない。戦没者、戦災者いずれも、自分たちの国軍がこんな指揮官たちの下に動いておりその結果自分達の生活がどうなったかと思えば、読むに耐えられないかもしれない。読んでいて絶望的な気持ちになること請け合い、こんな連中が作戦行動すると知っていたら国民は熱狂的支持のもと戦争に突入しなかっただろう。例えば、山本五十六(連合艦隊司令長官)とて例外ではなかったとは。
ところが、考えてみると70年経った今でも、日本の会社にはこういう人物や主義主張が残ってはいまいか。合理主義より情実主義、声の大きな者が勝つ、根拠なき精神主義…少なくとも(残念ながら)自分の会社にはどれも、当て嵌まる部分が残っているのだ!半島や大陸の国々の行動や反応を見て「変わらねーなー」と嘲ることがあるが、自らにも同じような部分が根強く残っていると戒めることが必要であろう。
2014年4月9日 自宅にて読了
大東亜戦争(と本書では定義している)でこっぴどく負けた日本(軍)の敗因を、直接の兵力とか作戦とかでなくその前提となる考え方(本質的原因)について考察した書。あまたの戦記は歴史家によって書かれているのだろうが、本書はいわば門外漢によって書かれている。ただし、戦記の門外漢ではあっても、経営組織などのプロフェッショナルである(野中郁次郎氏など、経営学部の学生だった頃よく馴染んだ名前だ)。ノモンハン事件、ミッドウェー海戦、ガダルカナル、インパール、沖縄。大敗した各作戦の状況経過の説明と共に、現場指揮官や幕僚、大本営の動きなどが書かれてゆく。
であるので、本書は大東亜戦争の個々の作戦のケーススタディ。失敗から、日本軍の組織や意思決定の問題点を追究した書であり、単に戦記を読みたい人には向かない。逆に、失敗事例から物事の本質的な問題点を追究する姿勢を学びたい人には面白く読めるはず。
愉快な本ではない。戦没者、戦災者いずれも、自分たちの国軍がこんな指揮官たちの下に動いておりその結果自分達の生活がどうなったかと思えば、読むに耐えられないかもしれない。読んでいて絶望的な気持ちになること請け合い、こんな連中が作戦行動すると知っていたら国民は熱狂的支持のもと戦争に突入しなかっただろう。例えば、山本五十六(連合艦隊司令長官)とて例外ではなかったとは。
ところが、考えてみると70年経った今でも、日本の会社にはこういう人物や主義主張が残ってはいまいか。合理主義より情実主義、声の大きな者が勝つ、根拠なき精神主義…少なくとも(残念ながら)自分の会社にはどれも、当て嵌まる部分が残っているのだ!半島や大陸の国々の行動や反応を見て「変わらねーなー」と嘲ることがあるが、自らにも同じような部分が根強く残っていると戒めることが必要であろう。
2014年4月9日 自宅にて読了