ゼンマイ採りとか猟師の首領とか、山小屋の主とか。タイトル通り「山に生きる」人々の生活を追いインタビューと言うよりつぶやきを拾った、リアリティあふれるルポ。
ゼンマイを採って加工する量がハンパない。一人で辛うじてついた踏み跡のような道を、数十kgもの収穫を背負って斜面を上がり降りする。林業の人もそうだ。猟師もそうだ。ときどき歩くハイキングコースですらキツく感じるのに、この人たちはいったい…しかも年配者が少なくない。長年の慣れとは言え、凄いよね。
こういう生活をしている人は隠遁者ではないかとうがったりもする。だが実際には、町で上手く人づきあいができなかったから人と交わらずに済む山に来た、なんて人は登場しない。縁あって、そこの出身ではないが山に入ってきた人ならいる。
本書の取材、連載開始が1993年、もう30年近く前。本書あとがきでも既に、取材対象となった方に物故者がいると書かれており、ひょっとしたら今だともう、誰一人として存命でない、或いは山に残っていないことも考えられる。それとも、後継者ができて細々とでも昔からの暮らしぶりが現代に繋がっていたりするのだろうか。気になる。
2021年4月29日 自宅にて読了
ゼンマイを採って加工する量がハンパない。一人で辛うじてついた踏み跡のような道を、数十kgもの収穫を背負って斜面を上がり降りする。林業の人もそうだ。猟師もそうだ。ときどき歩くハイキングコースですらキツく感じるのに、この人たちはいったい…しかも年配者が少なくない。長年の慣れとは言え、凄いよね。
こういう生活をしている人は隠遁者ではないかとうがったりもする。だが実際には、町で上手く人づきあいができなかったから人と交わらずに済む山に来た、なんて人は登場しない。縁あって、そこの出身ではないが山に入ってきた人ならいる。
本書の取材、連載開始が1993年、もう30年近く前。本書あとがきでも既に、取材対象となった方に物故者がいると書かれており、ひょっとしたら今だともう、誰一人として存命でない、或いは山に残っていないことも考えられる。それとも、後継者ができて細々とでも昔からの暮らしぶりが現代に繋がっていたりするのだろうか。気になる。
2021年4月29日 自宅にて読了