日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
割とまめに書くようにしています。
お気軽にコメント下さい。

【本】高桑信一著 「山の仕事、山の暮らし」(つり人社)

2021-05-19 20:00:00 | 本・映画・展覧会
 ゼンマイ採りとか猟師の首領とか、山小屋の主とか。タイトル通り「山に生きる」人々の生活を追いインタビューと言うよりつぶやきを拾った、リアリティあふれるルポ。

 ゼンマイを採って加工する量がハンパない。一人で辛うじてついた踏み跡のような道を、数十kgもの収穫を背負って斜面を上がり降りする。林業の人もそうだ。猟師もそうだ。ときどき歩くハイキングコースですらキツく感じるのに、この人たちはいったい…しかも年配者が少なくない。長年の慣れとは言え、凄いよね。

 こういう生活をしている人は隠遁者ではないかとうがったりもする。だが実際には、町で上手く人づきあいができなかったから人と交わらずに済む山に来た、なんて人は登場しない。縁あって、そこの出身ではないが山に入ってきた人ならいる。

 本書の取材、連載開始が1993年、もう30年近く前。本書あとがきでも既に、取材対象となった方に物故者がいると書かれており、ひょっとしたら今だともう、誰一人として存命でない、或いは山に残っていないことも考えられる。それとも、後継者ができて細々とでも昔からの暮らしぶりが現代に繋がっていたりするのだろうか。気になる。

 2021年4月29日 自宅にて読了
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シリーズ・川崎市の銭湯を巡る(16/35) 川崎区・吉の湯

2021-05-19 06:00:00 | 旅行・ハイク&ウォーク
 川崎市の銭湯訪問、16湯目。今週の探訪先は川崎区の吉の湯。建物が道路から奥まった場所にあり、一瞬とまどった。

 浴室に入る。ここの湯は熱いと言う事前情報だったので、掛け湯してから恐る恐る手を突っ込み、足をソロリ…すると一人だけいた先客から「熱かったら埋めちゃって大丈夫ですよ」と声が掛かり、番台のオネエサンからも同様の気遣いを受ける。が、構えたほどの熱さではなく、と言うか慣れれば全くどうと言うことない温度であり、埋める必要はなかった。もっとも先客氏に言わせれば「今日はぬるい」んだそうで。

 湯温ばかり気にしたが、ここは見事な壁絵である。が、不思議なことに富士山の前景は能登の軍艦島(見附島)、なんで!?だれかのゆかりの地なんだろうか。いずれにしても壁サイズ一杯に描かれ豪快、そして女湯との境の壁には広重の東海道五十三次、神奈川宿だったかな?この二面、湯船に浸かっていて見飽きない。熱すぎない湯温でもあり、浸かっては眺め、眺めては浸かりを繰り返す。その湯船は仕切られているように見えるのものの下部は繋がっており(故に熱い湯は循環せず、微妙に湯温が異なる)シンプル。

 声を掛けてくれた先客氏はかなりの銭湯好きらしく、この界隈にお住まいのようだが川崎区や隣接の大田区、鶴見区あたりの銭湯はあらかた行ってみたと。当方が銭湯巡りをしていると話すと、xxの湯はxxが特徴だ△△は△△がいいと、ポジティブな情報ばかり教えて下さり話が弾む。

 身体を洗うことも忘れ話に夢中になるほど、楽しいひとときだった。1950年開業(開湯?)だそうで設備はシンプルだが、番台のオネエサンの接遇もよく極めて好印象を抱いて暖簾を出た。

 2021年4月27日訪問
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