少し前の本になるが、都市再開発が進む日本での進め方に問題意識を持ち、アメリカでの同様のケースを紹介し、その手法の違いや問題点を指摘した本。基本的にアメリカの成功例(サンフランシスコ)賞賛だが、同じアメリカでも失敗例はあり(ニューヨーク)、全面的に「米高日低」と言う論調ではない。
法的規制の違いがいろいろあるにせよ、最大の違いは住民意識と参画度の違いだろう。反対にしろ意見にしろ、日本では住民の声が大となり事業計画に反映されることは少ないように見える(そもそも事業を計画する時点で住民を巻き込んだ作業が行われるケースなどないのでは?)。
アフターコロナで都心集積一辺倒だった都市再開発計画が方向転換するのか、むしろより職住の二極分化が進むのか。都市にしろ郊外にしろ、日本のデタラメで美意識のない開発状態を見ていると暗澹たる気持ちになるが、それが大きく変わって欲しいものだ。
2022年6月26日 実家にて読了