カナダ生まれのマーク・アンドレ・ルクレール、この無名のアルピニストを探し出し、信頼関係を築き、共に岸壁を登ることで緊張感あふれる映像を撮った本作の監督はピーター・モーティマーとニック・ローゼン。映画は、彼らのモノローグとマークほか現役アルピニスト、そして彼らを見守るベテランクライマー(ラインホルト・ メスナーも含まれる!)たちのコメントで構成される。もちろん、登山中の主人公をロングショットで撮った背景の、雄大な自然もふんだんに。
作品は、監督がSNS等でマークを知り、コンタクトを試みるところから始まる。そして実際に会い、インタビューし、登っているシーンを撮る。圧巻はノーロープ(自己確保なし)で数百mのロッククライミング!ビビりな人、高所恐怖症の人、慎重派の人は正視できないと思う。ビルの狭間に渡したロープを綱渡りする男の映画「ザ・ウォーク」を上回る緊張感だ。本人より撮影する方がビビる。もし墜落死したら、その瞬間を撮ることになるのだからトラウマ必至だ。よく耐えて撮影したと思う。
撮影を終えいよいよ編集となったところで、マークは予期せぬ行動を起こし、それが悲劇となる。カメラは、冷酷にもそこも捉えている。本来の脚本にない物語が加わることにより、綺麗に締め括られたように見えるのは皮肉だ。
ここ数年で何冊も、山ヤや冒険家の本を読んだ。そのチャレンジがエスカレートしハードになるほど、生還率は低くなる。でもそれは仕方のないことで、無謀登山者の救出騒ぎとは別次元の話なのだと、ようやく理解できるようになってきた気がする。
作品は、監督がSNS等でマークを知り、コンタクトを試みるところから始まる。そして実際に会い、インタビューし、登っているシーンを撮る。圧巻はノーロープ(自己確保なし)で数百mのロッククライミング!ビビりな人、高所恐怖症の人、慎重派の人は正視できないと思う。ビルの狭間に渡したロープを綱渡りする男の映画「ザ・ウォーク」を上回る緊張感だ。本人より撮影する方がビビる。もし墜落死したら、その瞬間を撮ることになるのだからトラウマ必至だ。よく耐えて撮影したと思う。
撮影を終えいよいよ編集となったところで、マークは予期せぬ行動を起こし、それが悲劇となる。カメラは、冷酷にもそこも捉えている。本来の脚本にない物語が加わることにより、綺麗に締め括られたように見えるのは皮肉だ。
ここ数年で何冊も、山ヤや冒険家の本を読んだ。そのチャレンジがエスカレートしハードになるほど、生還率は低くなる。でもそれは仕方のないことで、無謀登山者の救出騒ぎとは別次元の話なのだと、ようやく理解できるようになってきた気がする。