人間だれしも死ぬときは独りのはずだが、現実においてはそういう受け止められ方をしていない。本書で書かれているように、「周囲の人と関わりながら、穏やかに亡くなる」ケースと、「社会や家族から孤立し、亡くなったことに直ぐには気付かれない」ケースとがある。一般的に孤独死と言えば後者を指すことに異論はなかろう。
本書がユニークなのは「死ぬときは独り」の観点から、前者も孤独死に含まれると定義し、「しあわせな孤独死」と「気の毒な孤独死」と言う分け方をしている。周囲と関りを持ち、痴呆症でも暖かく見守られ、粛々と亡くなってゆくのが前者。医学的には正しいが、本人の意思とは別に胃ろうやチューブをつなぎまくられ、何もできずただベッドに横たわる延命、果たしてその「死への抵抗」に意味はあるのだろうか?と問いかける(著者は安楽死賛成とまで言い切ってはいない)。
先日母が亡くなったが、本人の強い意思で延命治療は行われず、ただ痛みの緩和ケア(麻酔)だけ行われた。家族も納得の処置だったため、「これで良かったのだ」と思えた。本書を読んで、そのことを裏付けられた気がした。
2022年7月29日 自宅にて読了
本書がユニークなのは「死ぬときは独り」の観点から、前者も孤独死に含まれると定義し、「しあわせな孤独死」と「気の毒な孤独死」と言う分け方をしている。周囲と関りを持ち、痴呆症でも暖かく見守られ、粛々と亡くなってゆくのが前者。医学的には正しいが、本人の意思とは別に胃ろうやチューブをつなぎまくられ、何もできずただベッドに横たわる延命、果たしてその「死への抵抗」に意味はあるのだろうか?と問いかける(著者は安楽死賛成とまで言い切ってはいない)。
先日母が亡くなったが、本人の強い意思で延命治療は行われず、ただ痛みの緩和ケア(麻酔)だけ行われた。家族も納得の処置だったため、「これで良かったのだ」と思えた。本書を読んで、そのことを裏付けられた気がした。
2022年7月29日 自宅にて読了