日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
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【本】森田洋之著 「うらやましい孤独死-自分はどう死ぬ?家族をどう看取る?-」(三五館シンシャ)

2022-08-09 20:00:00 | 本・映画・展覧会
 人間だれしも死ぬときは独りのはずだが、現実においてはそういう受け止められ方をしていない。本書で書かれているように、「周囲の人と関わりながら、穏やかに亡くなる」ケースと、「社会や家族から孤立し、亡くなったことに直ぐには気付かれない」ケースとがある。一般的に孤独死と言えば後者を指すことに異論はなかろう。

 本書がユニークなのは「死ぬときは独り」の観点から、前者も孤独死に含まれると定義し、「しあわせな孤独死」と「気の毒な孤独死」と言う分け方をしている。周囲と関りを持ち、痴呆症でも暖かく見守られ、粛々と亡くなってゆくのが前者。医学的には正しいが、本人の意思とは別に胃ろうやチューブをつなぎまくられ、何もできずただベッドに横たわる延命、果たしてその「死への抵抗」に意味はあるのだろうか?と問いかける(著者は安楽死賛成とまで言い切ってはいない)。

 先日母が亡くなったが、本人の強い意思で延命治療は行われず、ただ痛みの緩和ケア(麻酔)だけ行われた。家族も納得の処置だったため、「これで良かったのだ」と思えた。本書を読んで、そのことを裏付けられた気がした。

 2022年7月29日 自宅にて読了
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【写真展】大橋史明展 「森とともに生きていく,-箱根登山鉄道の世界-」

2022-08-09 06:00:00 | 本・映画・展覧会
 箱根登山鉄道スペシャリストとも言える大橋氏の個展で、今回は現在も活躍する唯一の単行可能車・108号機が全般検査入場した時の写真群を展示。従って山中を往く姿はなく、工場内の静かなシーンばかり。

 ちょっと照れながらも誇らしげな職員さんの表情が実にいい。天井の化粧板を外された後に見える木張りの天井、分解された制御器のカム、台車から降ろされた主電動機(モーター)等の部品、工場内の治具や工具、塗料ワゴンなど見飽きない、普通には目にすることのできない記録写真でもある。

 現役で走っているうちに、もう一度くらい乗りに行ってみようかな。

 2022年7月23日 銀座・キヤノンギャラリーにて
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