日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
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【映画】カンフースタントマン(龍虎武師)

2023-01-26 20:00:00 | 本・映画・展覧会
 香港映画と言えばカンフー(功夫)をベースにした派手な立ち回り。ブルース・リーで注目され、ジャッキー・チェンやサモ・ハンで不動の人気となったか。本作は、そうした香港映画の発展を支えてきた多くのスタントマンに光を当て、インタビューにより幼少時からの訓練方法、撮影時のエピソードや役者生活をつまびらかにする。スタントマンから指導者になった人が多いが、中には自ら監督になったり、或いは転身してビジネスマンになった人もいる。

 サモ・ハンに始まるインタビューの繋ぎ合わせだけでなく、音声をバックに彼らの出演作品が次々と映され、当時の興奮が蘇る。メイキング映像も多々あり、まったく飽きることがない。いや、ガラスぶち破ってビルの4階から転落とかメチャクチャ。最後に、今は下火となってしまった香港映画の現状、それでもなお残る養成学校の様子と夢を懸ける若者の姿が紹介される。

 本作は香港でなく大陸の作品。サモ・ハン始め多くの出演者が広東語でなく北京語を話すのを見て、時代の移り変わりを感じた。大陸側の作品であるのに、中国政府寄りとされるジャッキー・チェンのインタビューがないのは何故か、引っ掛かった(映像は何作品も出てくる)。映画と言うよりドキュメント作品だったが、とても良かった。カンフー映画よ、いつまでも。

 2023年1月10日 川崎・チネチッタにて
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【本】保坂直紀著 「海洋プラスチック-永遠のごみの行方-」(角川新書)

2023-01-26 06:00:00 | 本・映画・展覧会
 海鳥や海亀の誤飲の写真でプラスチック性海洋ゴミの被害が訴えられてから相当経っていると思うが、事態は好転していないのだろうか。日本で海洋に流出するプラ性ゴミは減っていても、意識改革の遅れている途上国からのゴミの増加ペースの方が大きいのだろうか。或いは、大きなゴミは減っていても、経年で破砕分解されマイクロ化しているゴミの方が多いのだろうか。

 本書は、海に漂い浜に滞留するプラ性海洋ゴミについて、被害の実態や流出量の推定に加え、そうした調査の方法まで述べているところが興味深い。自分もビーチクリーンに参加したことがあるが、普通に拾うのは煙草の吸殻程度くらい、それ以下の大きさのプラスチックの粒や発泡スチロールの破片、ボロボロに破れたコンビニ袋などは面倒すぎて拾わなかったのは本書記述の通り。金属片なら磁石で選別できようが、プラ性ゴミに打つ手なし。

 「3R」などの意識向上が必要なだけでなく、正しい認識も必要だと本書は訴える。石油資源の問題だけでなく、CO2まで含めた総合的な環境負荷を考えなければならないと(拍手)。例えばエコバッグ、石油資源だけ見るなら10回で「モト」だが、廃棄(焼却)に伴う環境負荷まで考えると50回は使う必要があるとか。そこまで突っ込んだ説明って普段されず歯がゆく思っていたので、スッとした(再拍手)。EVだって発電に化石燃料を使っていれば、温暖化フリーってわけじゃないのと同じ話。

 これからも、環境負荷の少ない生活を心がけたい。そうした暮らしが一番ローコストになれば良いのだけれど、そうではないのが悩ましい。

 2023年1月11日 自宅にて読了
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