鳥山明氏と言えば、代表作は「ドラゴンボール」シリーズなのだろう。あ、「ドラクエ」のキャラデザもだっけ?超ベテラン&ビッグネームながら、作品のシリーズは意外と少なく感じる。自分は「アラレちゃん」しか読んでないのだけど。
そんな鳥山センセの、わずか雑誌2号に集中連載された原作のアニメ映画化が本作。存在自体を知らなかったため、予告編とかを見て「ドラゴンボールのサイドストーリーか?」と思ったことを告白しておく。
砂漠の町に住む正義感に溢れる硬骨の保安官は、かつて名うての軍人だったが大きな過ちを犯した過去を持っていた。水不足となった集落の危機を救うため、あろうことか普段であれば反目する関係にある悪魔の王子に協力を求め、水を求める旅に出る。そこで彼らを待ち受けたのは、腐敗した王政だった…。
ストーリーは明快で解りやすい。スリリングだが正義は勝つ的な展開も予想通り。だが予定調和でつまらないかと言えば、全くそんなことはない。個性的なキャラクター、考えさせられる言葉のやり取り、旅の友や敵部隊のユニークな乗り物たち。最初に「Dr.スランプ」を読んだ時の高揚感を思い出した。原作のキャラデザを崩さず、動画ならではの躍動感あふれる演出も見事。鳥山ワールド全開の作品で楽しかった。
2023年9月1日 川崎・チネチッタにて