【本】湯浅 誠著 「ヒーローを待っていても世界は変わらない」(朝日文庫)

　「年越し派遣村」が突如出現し、話題となったのは調べてみたら2008年の年末だった。著者はその「村長」を勤め、以降の社会福祉シーンの「識者」となった感がある。これまでに著者の言動については断片的に見聞きした程度であったため、とりあえず1冊を読んでみることにした。別にそれで著者を英雄視しようとも、奸物と蔑もうとも思わない。

　本書はその派遣切りとか対策事業とか、著者が有名人となったできごとについては書かれていない。書かれているのは、最近の社会におけるYes/Noの極論対決だったり、多数決という「民主主義」の難しさであったり、利害関係の衝突する中での落としどころであったり、政治のしくみであったり。

　著者はリアリストだなと意外に思った。実際に福祉ボランティアの場をまとめたり、政府の一員となって活動し、理想論だけでものごとは進まない、万人を納得させる政策などないことを厭と言うほど経験したのだろう。なので読んでいて「絵空事」の空虚感がなく、逆に肩透かしを喰わされた感すらあった。理想を芯に持ちつつ現実的な解を求めてゆく難しさの一端が見えたようであった。そして、それを他人任せにしてはいけないと言うことも。

　2019年12月30日　アンマン(ヨルダン)のホテルにて読了

2019年12月27日～2020年1月5日 【旅行】年越しまで中東に飛ばなくても（３）

　12月30日、未明にホテルを出発、RJ643便(JY-EMB:E195)でヨルダンの首都アンマンへ。初のロイヤルヨルダン航空だが短時間のフライトのため特段の感想はなし。到着してホテルへウバり(←タクシーの代りにUBERに乗る意味らしい・笑)チェックイン、今日は昼寝をせずにすぐ観光に出かけた。

　アンマンは坂の街、アップダウンの激しい地形の斜面いっぱいにゴチャゴチャと家が詰まり、狭苦しい道路が間を縫う。ボリビアのラパスほど標高差はないが、ボゴタ(コロンビア)旧市街よりは広い地域に町が広がっているかな。無秩序に拡がった町と拡幅しようがない道のため渋滞が激しく、そこら中でビービーとホーンが鳴って喧しい。若い時分から、こういう喧騒は好きになれなかった。

　アンマン第一の見どころと言えば「城跡(Citadel)」、確かに周囲の丘に群がる家々を睥睨するかのようなロケーション(写真)、残された石造りの建造物など、十分に見応えがあった。そこから今日も延々と歩き(笑)、ヨルダン博物館など見学して終了。坂が多く、しかも道を間違って彷徨ったりしたのでかなり疲れた。

Intercontinental Anman 泊

2019年12月27日～2020年1月5日 【旅行】年越しまで中東に飛ばなくても（２）

　12月29日、昼までクウェートシティを散策。今日は昨夜と反対方面、海側へ。有名な「タワー」(写真)を目指してゆく。シーズンオフなのか観光客はまばら、タワー内部の展望台から見下ろす眼下のウォーターパークも閉園中。出発間際に気温のチェックはしたが、日本より少し暖かい程度で「暑い」と言う先入観は見事に覆された。

　とは言え、日中は陽射しが強く薄着で居られる。タワーから延々と海岸線沿いを歩く。日焼け止めを持ってきたのは正解だった。ショッピングモールや昔ながらの魚市場の漁港などを見学。グランドモスクは夕方にならないと見学させてくれず、ホテルに戻って昼寝をしたら面倒になって見ず終い。ホテルの近くのショッピングモール内にフードコートがあるのを発見、中華麺を食べたがイマイチ。

ibis Sharq Kuwait 泊

2019年12月27日～2020年1月5日 【旅行】年越しまで中東に飛ばなくても（１）

　アフリカ出張からドバイ経由で帰国して僅か一週間、また中東へ向けてフライトすることで年末年始旅行スタート。この旅の予約時点では原籍復帰は予期していなかったし、ましてや海外出張など。出張ではエミレーツ航空に乗りまくりましたが、同じ中東系でも今回はカタール航空利用。エコノミークラス同士、乗り比べも一興か。

　12月27日、共同運航便名であるJL7999便でチェックイン、このフライトで来年度のJGCプレミア会員に何とか達成する見込み。機体はA7-AEK、A350-1000の最新ビジネスクラス"Q suite"設置機材だがエコノミークラス利用客にとってはどうでも良い。ドバイ近くを通りすぎドーハまで12時間近くかかった、遠い…

　12月28日、ドーハからQR1070便(A7-AMA:A350-900)でクウェートシティへ。バスで運ばれてびっくり、南米の「LATAM｣社塗装でQATARの文字などどこにもない！後でリース機を判ったが、それにしてもシールの1枚くらい貼るもんじゃないの？クウェートはサウジアラビアに次いでイスラムの戒律厳しくアルコールは市中の販売はおろか持ち込みも禁止、年越しの国にしなくて良かった…59分で到着。

　空港からホテルまでタクり、到着後は昼寝、起きてジムで運動、日暮れ頃から外出、夜行便到着後のこの過ごし方は、先般のアフリカ出張から引き継いだ。21時までやってる博物館やスークなど見学。道路も歩道も広く、ユニークな形のビルの夜景も素敵な街である。

ibis Sharq Kuwait 泊

【本】石田ゆうすけ著 「道の先まで行ってやれ！」(幻冬舎文庫)

　自転車世界一周シリーズを読んできたが、本書は完全なる別シリーズ。輪行(自転車を分解して乗り物に積み込み現地まで向かうこと)して訪ねた国内各地を走り、地元の人々との出会いを綴った自転車雑誌連載記事のまとめ。

　解説でこの連載を掲載した雑誌の編集長が書いているが、著者は自転車が好きなのではなく、(自転車を使った)旅が好きなのだと。なので、何キロ走ったとかどんなメカや装備を使ったなどには興味がなく記事に出てこない。どんな人と会った、どんな物を食べた、どんな事をした、その橋渡しに自転車がある。

　1人で漕ぎ続けるから人恋しくなるのか、著者の人好きには感心する。どれだけ旅を続けてきても、どれだけの人と会ってきても、スレた感じがせず素直に感情を綴れることを尊敬する。自分にはムリだ。

　2019年12月25日　通勤電車にて読了

2019年12月23日 【食べ物】品川・翔

　アフリカ出張の際、お客様への手土産(と言うか差し入れ)で最も好評だったのはインスタントラーメン(袋麺)でした。5個入り2,3種をお持ちしたのですが、事務所内の日本人スタッフに1人1個配ると中にはわざわざ御礼に来られ「野菜一杯載せて食べます！」とか「ハレの日に取っておきます！」とか。アジア諸国産の類似品は手に入っても、やはり微妙な違いがあるのでしょう。嗚呼ラーメンは偉大なり。そんな出張こぼれ話を思い出しながら、京急品川駅高架下の「品達」を久々に訪れました。

　鶏出汁ラーメンがウリらしい、西新宿が本店の店。なのだけど今夜は夜限定の味噌味を試したい気分。札幌「風」と但し書きしてあるのは謙虚なのか、自信がないのか。それにしても今夜の品達は軒並み、お客さん少ないな。クリスマスと関係あるのかな？

　スープは濃い目の味ながら脂は見た目より少な目、最近は濃厚スープが流行で中には出汁の味が勝ってしまっているような店もあるが、ここはしつこ過ぎず薄過ぎず、酸味も気にならず良い感じ。麺は黄味が強い縮れ麺、好みより少し細めなのが残念だがスープの濃さに何とか耐えてる感じ。写真では見えづらいが炒めもやしも載り、なかなか良い感じだった。

(Live) L.M.T.(Love Music Together)

　今年最後のライブ参戦は、我が町カワサキでのL.M.T.になりそう。だが忘年会時期のため客入りが心配、おまけにこの時期にしては激しい、冷たい雨…でもちゃんとファンは来た！セットリストは以下の通り。

(1st)(w/あやこ)
・Please Please Me(The Beatles)
・ハナミズキ(一青窈)
・星が瞬く夜に
・夢
・風になる
・Have Yourself A Merry Little Christmas(Sam Smith)
・真っ赤な太陽(美空ひばり)
・東京タワー
(2nd)
・恋に落ちずに「恋」をする
・よくよく考えてみるとだいたい夏にはいい思い出がない、かもしれない
・私の街
・First Christmas in Yokohama
・女房のいない週末
・Rainy Monday Morning Blues
・ライカ
・My sweet lover
(encore)
・大切にしよう
・夏の夜のハーモニー

　1stセットは全曲、L.M.T.プロデュースの女性ボーカル・松本文子がメインボーカルと言う初のパターン(写真)。前から「ぶんこちゃん」と愛称で呼ばれ時おり歌声を披露しているのは知っていたが、今般正式にCDを発売、明日は四谷ソケースロックでレコ発ライブ。優しい声色で癒し系シンガーを目指す模様。ご祝儀にCD購入、本人だけでなくバックバンドを勤めたL.M.T.メンバーのサインも盤面に頂いた♪

　2ndセットで久々に聴いた気がする「ライカ」、やっぱりイイネ！さいきん四谷ソケースではキーボード、サックスも加わった5人編成で、川崎ゆんたくでは3人編成であり、音作りが大きく違うのが興味深い。L.M.T.のライブはお客同士が仲良くなり過ぎ、歌はそっちのけで大声で話し続けちゃったりすることもあるのだけど、今夜はそれもなく。気持ち良いライブでした。終演後は居座って、メンバーのボトルからお酒を頂いちゃっての一杯。

　今年はライブ参戦が少なく今日で24回。そのうちL.M.T.と日吉さんが6回と、実に1/4を占めた。来年も心に響くサウンドを聴きに、足を運びたい。今年一年ありがとうございました。

2019年12月21日 ヨコハマの二階建てバスに乗る

　今年は新型二階建てバス乗りつぶし(導入会社単位)をしたが、当然それ以外にも二階建てバスは走っている。自宅から近い横浜でも走っており、それがオープントップバス。京急が運行する。クリスマスイルミネーションも点るいまの時期、寒いが乗りどきではないかと思い足を運んだ。この週末とイブ、クリスマス当日は時刻変更の特別運行。

　京急の二階建てバスは三浦半島の先っぽを回るルートで始まり、好調で気を良くしたのか横浜コースも追加された(紹介記事)。三崎コースは京急電車そっくりの赤＋白カラーなのに対し、横浜コース車は水色、ベイスターズを意識したのか？濃いブルーだと相鉄色になってしまうからね。車両はどちらも旧型ふそうエアロキング、車齢は20年を超えているがゆっくりそこら辺を走るだけなので問題ない。

　横浜駅の駐車場は本当に、本当にギリギリ！ソロリと走り出し、イルミネーションの煌びやかなみなとみらい地区を通り(写真)、山下公園横を抜け、山下町から首都高速へ。ベイブリッジを渡ったところで当便のみは大黒PAで折り返さず、大黒線から羽横線を通る。夜景鑑賞も含め当便を選んだ理由である。東神奈川で下道へ、そのまま横浜駅東口へ戻るのかと思いきや海へ向い、コットンハーバー横の臨港道路を通って再びみなとみらい地区を通り、横浜駅東口に戻ってきた。

　記念乗車証も何もなく、渡されたのはホッカイロ１つ。2階席に暖房はなくブランケット貸し出しもない。写真撮影停車もなく乗ったら最後までノンストップ。物足りない点は多々あったが、それでも楽しい乗車だった。

【本】前野隆司著 「錯覚する脳」(ちくま文庫)

　サブタイトルが「『おいしい』も『痛い』も幻想だった」って、元も子もないというかブチ壊しじゃね？まあ刺激の名称が変わるというなら解らないでもないが…例えばこれまで「おいしい」と表現していたものが「くさい」とかね!?

　予想通り「本当にそうなら何だかつまらないなあ」と言う内容。それは著者が悪いのでなく我々の感覚のせいなのだけど。逆に言えば、ホントに身体って不思議。科学が発達して相当のことが解ってきていると思うのだけど、本書を読むとまだまだ解らないことだらけのようだ。全て解ってしまったらつまらないし、恐ろしいとは思うけれど。

　2019年12月15日　出張先のアフリカのホテルにて読了

2019年12月2～19日 【仕事】海外出張要員に二度あることは三度ある（３）

　ドバイでの休日(出張でホテルに拘束されるのに年休扱い、だったら近隣に国々まで遊びに行っても良くね？)を終え、今回もう一つの国へ向いました。もちろんエミ(略)。

　これまでの出張と大きく文化の異なる地域のため、新鮮かつ刺激的でした。実は、開通していたはずの通信回線が我々の訪問を前に不通になり、作業は機器を設置し配線をするまでで終わってしまったのです。現地の通信回線業者と英語で渡り合い、お客様や同行者に「こちらでやれることはやり尽くした」と認めて頂けたことは良かったですが、帰国までに事象は解決せず、中途半端な状態で現地を去らざるを得なかったのは残念でした。待ち時間にお客様が海の見えるレストランに案内して下さり、束の間のストレス解消(写真)。ここはフランス語圏の西部アフリカ、海は大西洋で遥か向こうは南米大陸のはず。

　帰りもドバイで中継宿泊して帰国、これで一連の出張は終り。さいきん職場は業務が輻輳しており、なぜか私が出張することに対する風当たりが強くなっているため今後は出張を認められない様子。出向から戻って一瞬でしたが良い経験をさせて貰ったことを思い出として、本プロジェクトを離れることになるでしょう。（おわり）