最強のふたり
2011年/フランス
音楽と絵画と‘障害’と
総合
100点
ストーリー
0点
キャスト
0点
演出
0点
ビジュアル
0点
音楽
0点
車椅子生活を送っている主人公の一人で大富豪のフィリップを、もう一人の主人公でスラム街出身の黒人青年であるドリスが特別に障害者として扱っていないように見える理由は、金持ちの白人が貧しい黒人によって手取り足取り世話をしている様子に違和感を感じない観客の‘偏見’も大きく関与しているように思う。実際に、音楽の好みに関して言及するならば、フィリップとドリスの好む音楽は対照的であるとしても、それはメインカルチャーとサブカルチャーの違いというよりも、フィリップが好む音楽であるオペラやクラシック音楽は白人によって作られたものであり、座ってじっくりと聴くものであるが、ドリスが好むアース・ウィンド・アンド・ファイアーという黒人バンドの「September」や「Boogie Wonderland」は踊りながら楽しむものであり、好みの音楽を鑑賞する上では2人のそれぞれの身体の状態は相応しいのである。
やがてドリスの‘弟’であるアダマがフィリップの屋敷を訪れたことにより、ドリスの厳しい生い立ちを知ったフィリップは、ドリスが自分を障害者として扱わない理由を知ることになる。体が不自由でなくてもドリスはかなり重い‘障害’を抱えており、だからドリスはフィリップの障害と‘対等’でいられるのである。
運送会社の面接に臨んだドリスはその応接室にサルバドール・ダリの1931年の作品「The Persistence of Memory(記憶の固執)」を見つける。その歪んだ時計が描かれている絵を見て、ドリスは‘時間厳守’の運送会社らしさを感じるのであるが、同時にドリスはフィリップがダリの1945年の作品「My Wife,Naked,Looking at her own Body」を壁に掲げて眺めていたことを思い出し、顔を見せない後ろ姿の女性のポートレートにフィリップが亡き妻アリスと同時にいまだに実物の顔を見たことがないペンフレンドのエリオノーレをダブらせていることに思い至ったドリスは、ラストの小粋な計らいを仕組んだ結果、フィリップの正面に座ったエリオノーレの後ろ姿は奇しくもダリの作品の後ろ姿の女性を演じることになる。
ギャグとアートの絶妙なバランスは申し分がない。ちなみにフィリップの髭を剃りながらドリスが似ていると名前を挙げていた「ジョゼ・ボヴェ」の髭の具合はウィキペディアで確認できる。
「福島原発の第一サティアン」 石原幹事長が発言(朝日新聞) - goo ニュース
福島原発は「サティアン」=自民・石原氏(時事通信) - goo ニュース
自民党の石原伸晃幹事長は13日のTBSの番組で、東京電力福島第1原発事故による
汚染土の処理に関し「福島県郡山市の校庭では、放射能を浴びた土の表面が取り除かれ
山のように隅に置いてある。それを運ぶところは福島原発の第1サティアンしかないと思う」
と述べた。“サティアン”という言葉は、オウム真理教の宗教施設の名称以外では、本来の
サンスクリット語で「真理」の意味にしかならず、この石原の“福島原発の第1サティアン”と
いう言葉使いには福島に対する石原の偏見を感じてしまう。そもそも福島県に原発を設置、
運営したのは誰だったのかを考えるべきで、これでは福島県人が悪者のように聞こえる。