ディクテーター 身元不明でニューヨーク
2012年/アメリカ
畳み掛けるギャグの質について
総合
0点
ストーリー
0点
キャスト
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演出
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ビジュアル
0点
音楽
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本作があくまでもワディヤ共和国を統治する独裁者であるアラジーン将軍をメインに据えている理由は、チャールズ・チャップリン監督、主演の『独裁者(The ‘Great’ Dictator)』(1940年)の主人公が‘床屋のチャーリー’の方だったことを意識して対照的にしたように思う。
出産シーンなどの下品で卑猥なギャグも悪意を込めた意図的なものであろうから、文句を述べるつもりはないのであるが、例えば、アラジーン将軍が橋の上から自殺を試みる際に、クロックスの靴では自殺もできないと嘆くシーンがある。もちろんクロックスがアメリカで創設された靴販売の会社であり、アメリカを皮肉っていることは分かるとしても、正確を期するならばクロックスの靴は軽いために自殺するには寧ろ‘向いている’のである。あるいは国連サミットでワディヤ共和国の自由化を宣言する際に、本物のアラジーン将軍が自由化宣言文書を破棄しながら超博愛主義者の活動家ゾーイの瞳に絆されて、‘真’の民主主義を誓ってしまう。これは女によって簡単に主義主張を変えてしまう独裁者というカリカチュアと捉えるべきであろうが、独裁制を正当化しきれない弱さも感じてしまう。要するにギャグが細かいのか雑なのか良く分からないのである。
国連サミットに現れる東洋系の要人は妻が笑ってばかりいるので日本人かと思いきや、中国人の夫婦だった。独裁国家の自由化宣言に共産国家の要人が出席していることが面白いのであるが、洋画における日本人と中国人の混同は相変わらずである。残念ながら「ハーヴェイ・カイテル」に関するものなど把握できなかったギャグも多々あり、本作の面白さを本当に理解できているのかどうか定かではない故に今回は評価は控えておきたい。
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詳しいことは分からないが、反日デモで石やペットボトルを日本大使館に向けて投げる
ということはまだ理解できるものの、放火されたり襲撃されたりしている日系企業で働いて
いる労働者の多くは中国人であろうから、自ら首を絞めることにならないのだろうか
ジャスコにガラスを割って侵入し、鉄パイプで店内の器物を破壊し、商品を略奪したデモの
参加者が、日本製品でも商品だけは持って帰るというところが哀れだが、11日に任命され、
13日朝、都内の自宅を出たところで倒れ、意識不明の状態で病院に運ばれた西宮伸一
駐中国大使が亡くなった。死んでも中国に行きたくなかったという気持ちはよく分かる。