原題:『RED 2』
監督:ディーン・パリソット
脚本:ジョン・ホーバー/エリック・ホーバー
撮影:エンリケ・シャディアック
出演:ブルース・ウィリス/ジョン・マルコヴィッチ/メアリー=ルイーズ・パーカー/ヘレン・ミレン
2013年/アメリカ
ハリウッド映画の核爆弾の描写について
観終わった後の既視感は何なのだろうと考えると、それは前作の『RED/レッド』(ロベルト・シュヴェンケ監督 2010年)ではなくて、同じようにブルース・ウィリスが主演していた『ダイ・ハード/ラスト・デイ』(ジョン・ムーア監督 2013年)だった理由は、やはりクライマックスの核爆弾の扱い方の雑さで、空中で爆発させれば地上にいる人間は安全という‘神話’を本気で信じているようなのである。広島へ落とされた原爆「リトルボーイ」は高度約600メートル上空で、長崎へ落とされた原爆「ファットマン」は高度約500メートル上空で爆発したことを知らないようで、どうやら、少なくともブルース・ウィリスは原爆を「爆弾の強力なもの」というイメージしか持っていないらしく、ブルース・ウィリスだけを非難するつもりはないのではあるが、『ウルヴァリン: SAMURAI』(ジェームズ・マンゴールド監督 2013年)の冒頭シーンなどを観ても分かる通りに、いまだにハリウッド映画が原爆を正確にイメージ出来ていないことは残念で、娯楽作品だからという言い訳が通らないことはないとしても、アメリカの一般観客に与える影響を考慮すると無視して良いわけでもないと思う次第である。