原題:『Gravity』
監督:アルフォンソ・キュアロン
脚本:アルフォンソ・キュアロン/ホナス・キュアロン
撮影:エマニュエル・ルベツキ
出演:サンドラ・ブロック/ジョージ・クルーニー/エド・ハリス
2013年/アメリカ
体現される「グラビティ」
素晴らしい宇宙空間のイメージの描写が試みられている本作は、もちろん「ゼロ・グラビティ(無重力)」がメインとなるのではあるが、原題が「グラビティ(重力)」であることを勘案するならば、長い「ゼロ・グラビティ」のシーンはあくまでも序章でしかなく、本作の見せ場は中国の宇宙船と共に海に落下したサンドラ・ブロックが演じるライアン・ストーンが自力で水面まで上がり、何とかして泳いでたどり着いた海岸において、例えカメラのレンズに多少なりとも泥が付着したとしても、泥にまみれて横たわったそのサンドラ・ブロックの生々しい体こそが、「グラビティ」を体現するのであり、本編終了後に2度も「Gravity」というタイトルを出現させる意図もそこにある。