MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『利休にたずねよ』

2013-12-07 23:00:32 | goo映画レビュー

原題:『利休にたずねよ』
監督:田中光敏
脚本:小松江里子
撮影:浜田毅
出演:市川海老蔵/中谷美紀/大森南朋/成海璃子/クララ/伊武雅刀/中村嘉葎雄
2013年/日本

「ポップスター」としての千利休

 例えば、水を張った器に本物の月を映して「作画」したり、竹製の茶杓に敢えて竹節を入れて作るように、普段なら無視されるようなものを積極的に取り入れる千利休の発想はとりわけモダンアートに通じるものがある。つまり当時の千利休は現代でいう「ポップスター」であり、その人気に豊臣秀吉が少しずつ恐怖を抱きだした理由は分からなくはない。
 千利休が美に目覚めた原点は、高麗からさらわれてきた女性との出会いである。言葉が通じないことから千利休は彼女が食する食事を工夫することから女性の心を開こうと試み、その利休の思いは女性に通じて、やがて打ち解けるようになる。ある晩、利休は高麗に帰郷したいと願う女性を勝手に牢獄から連れ出してしまうのであるが、すぐにバレて利休と女性は海岸の漁師が使っていた廃屋に潜む。やがて周囲を追っ手たちに囲まれて、逃げ場を失った2人は毒を飲んで心中することにする。女性が先に毒を飲むのであるが、利休はついに毒を飲むことができなかった。しかし女性が利休に向かって最後に放った言葉は「あなたは生きて」だったのである。
 女性の言葉に応じて生き延びたのではなく、臆病だったがために生き延びられた利休の心情が複雑であることを想像することは難くない。その後の利休が茶道で試みようとしたことは、高麗の女性が心身ともに備えていた美の再現ではなかったのではなかろうか。それが女性に対するせめてもの罪滅ぼしになるからである。だから朝鮮出兵を目論む豊臣秀吉と対決することは避けられなかったのであるが、利休がそのような経験をしていることなど秀吉どころか妻の宗恩さえ知る由もない。


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嘘をつかないDNA

2013-12-07 20:06:26 | Weblog

育ての母は言った「誰に似たんだろうね」… 新生児取り違えで入れ替わった2つの人生(産経新聞) - goo ニュース

昭和28年、出生直後に産院で別の新生児と取り違えられ、60年という年月を別の家族の

もとで過ごす事になった原告の男性が、取り違えられている事を知った発端は、もう一つの

家族の4兄弟が遺産相続で揉めたことからである。この4兄弟も取り違えられた兄に対して

3人の弟達は違和感を持っていたようである。3人の弟達は学校の成績は良かったようで、

進学した大学も優良だったようだが、とりあえず大学には進学したものの、兄の成績は

それほど良くなかったようである。原告男性は家計を助けるために中学卒業とともに町工場

に就職し、学費を稼ぎ仕事の傍ら定時制高校へ通ったが、大学進学は断念したようである。

成績は悪くはなかったのであろう。これらの事実を勘案するならば60年という年月を経ても

DNAは嘘をつかないということであろう。良家の出自であるからこそ原告の男性

は2つの家族へ感謝出来るのだと思う次第である。遺産相続で揉めている兄の方が原告の

男性の立場に立たされていたら、このように穏やかに済んでいただろうか


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