原題:『Liv & Ingmar』
監督:デーラジ・アコルカー
脚本:デーラジ・アコルカー
撮影:ハルヴァルド・ブレイン
出演:リヴ・ウルマン/イングマール・ベルイマン
2012年/ノルウェー・スウェーデン・イギリス・チェコ・インド
顔の周囲を飛び交う蠅について
リヴ・ウルマンのインタビューを中心に、ベルイマンの作品を挿入しながら2人の愛の軌跡を辿っていく方法は驚きとは無縁の演出だと思いきや、ラストで見事に驚かされる。
リヴ・ウルマンはベルイマンが亡くなった後も、ベルイマンがそばにいるように感じるらしく、自分が良い方向に導かれているように思い、余計なことを言うと大量の虫が飛び交うと証言するのであるが、その後、リヴが紙切れに書かれたベルイマンからウルマン宛の肉筆ラヴレターを読む際に、リヴの顔の周囲にハエのようなものが飛び、まるで‘余計なもの’は読むなと‘警告’しているように見えるのである。