原題：『劇場版 SPEC～結～ 漸ノ篇/爻ノ篇』
監督：堤幸彦
脚本：西荻弓絵
撮影：斑目重友
出演：戸田恵梨香/加瀬亮/北村一輝/栗山千明/向井理/大島優子/竜雷太
２０１３年/日本
『SPEC』という物語の「野心」について
結局、『SPEC』という物語は何だったのかを考えると、次々と出演者たちから放たれるつまらないギャグに耐えられるだけの面白いＳＦストーリーの構築を目指していたように見える。前作『劇場版 SPEC～天～』（２０１２年）ではストーリーの大きさに見合わない予算と人員の小ささのために、映像のチープさが否めなかったのであるが、本作の『漸ノ篇』において、主人公の当麻紗綾や瀬文焚流ではなく、野々村光太郎をメインに据えたり、『爻ノ篇』においては舞台を警視庁屋上に絞り、ストーリーを展開させる大胆さが功を奏し、ＣＧ技術の進歩も手伝ってギャグのつまらなさを補って余りある強硬なＳＦストーリーの構築に成功しているのではないだろうか。
この調子が来年の『トリック劇場版 ラストステージ』にも引き継がれることを期待したい。
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前代未聞のグダグダの試合だった。世界ボクシング協会（ＷＢＡ）スーパーフライ級王者
だったリボリオ・ソリスが計量の失敗によりチャンピオンベルトを剥奪されたことは勿論、
そのような男に判定で負けてしまう亀田大毅も情けないが、さらに驚いたことに亀田大毅は
負けたにも関わらずＩＢＦのルールに基づき、国際ボクシング連盟（ＩＢＦ）スーパーフライ級の
王座にとどまるという。更に更にそのような負けでも王者という不思議なルールが存在する
ことを私たち観客は知らなかったが、試合前日には負けても王座にとどまる事を亀田側
は認識していたという。それでは真剣に試合など出来ないだろうと誰もが思うであろうし、
今回の試合は一体何のために行なったのか分からなくなる。つまり本来なら、ソリスが
計量を失敗した時点で、亀田大毅の不戦勝にしなければならなかったはずで、ＴＢＳで
生放送をすることが決まっていたから強行したのであろうが、真実が明らかになると本気に
なって見ていた事がバカバカしくなってくる。亀田兄弟の試合に“曰く”は付きものだが。
