原題:『Interview with the Vampire』
監督:ニール・ジョーダン
脚本:アン・ライス
撮影:フィリップ・ルースロ
出演:トム・クルーズ/ブラッド・ピット/キルスティン・ダンスト/スティーヴン・レイ
1994年/アメリカ
ヴァンパイアにインタビューする意図について
18世紀末のアメリカのルイジアナ州では、同じヴァンパイアではあっても平気で人を襲えるレスタトと対照的に、かつて人間だったルイは人を襲うことをためらい農場の小動物の血を吸って生きている。そんな2人の前に現れたクローディアは死の間際にルイに血を吸われ、吸血鬼として生き延びることになる。
まだ幼いクローディアはレスタトにヴァンパイアとして生きる方法を教えられた通りに人を襲うことにためらいを見せず、逆に自分が30年経っても成長しない不満をレスタトにぶつける。ルイとクローディアはレスタトに火を放ってパリに逃げるのであるが、19世紀後半のパリでもアルマンやサンティアゴなどのヴァンパイアと出会い、やはり気性の荒いアルマンのグループとは反りが合わない。クローディアと彼女の世話をしていたマドレーヌを殺された後に、ルイはアメリカに戻る。
個人的には以上の話を聞いたインタビュアーのダニエル・モロイがどうしてヴァンパイアになりたがるのか共感できなかったが、ヴァンパイアが組織化した「男性社会」に所属したいという願望が男性の心理の根底にはあるのかもしれない。そのような「男性社会」から追放されたクローディアとマドレーヌの「復讐譚」として『ビザンチウム』(2012年)を観賞することも可能だと思う。