MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲーム』

2017-01-16 00:53:02 | goo映画レビュー

原題:『Nerve』
監督:ヘンリー・ヨースト/アリエル・シュルマン
脚本:ジェシカ・シャーザー
撮影:マイケル・シモンズ
出演:エマ・ロバーツ/デイヴ・フランコ/ジュリエット・ルイス/マシン・ガン・ケリー
2016年/アメリカ

舞台の巨大さを表現しきれない制作費の低さについて

 ストーリーそのものは無難にまとまっているのだが、そもそも「裏オンラインゲーム」という舞台のその巨大さに対して、そこで起こる物語が余りにも小さすぎるように感じる。例えば、主人公の女子高生のヴィー・デルモニカが好意を寄せているJ・Pに彼女の友人のシドニーが本人にばらしてしまったことをきっかけにヴィーは「ナーヴ」に参加してしまうのであるが、危険なゲームに参加するには動機が弱すぎるように思うし、メインストーリーはヴィーと、彼女がレストランで偶然知り合ったイアンが引き起こすトラブルの過程が描かれるのは良いとしても、他の参加者が少なすぎる。
 あるいはシドニーが高層アパート間に渡された梯子を歩くミッションに失敗するのであるが、このゲームは『ザ・ウォーク』(ロバート・ゼメキス監督 2015年)を観てしまったものとしてはショボ過ぎるのであり、このようなゲームに多くの視聴者が興味を持つとはとても思えないのである。
 その主人公のヴィーが好きなミュージシャンとしてアメリカのヒップホップグループの「ウータン・クラン(Wu-Tang Clan)」を挙げているのだが、「ウータン・クラン」は『ダーティ・グランパ』(ダン・メイザー監督 2016年)でも出た名前で、このヒップホップグループはそんなにアメリカで人気があるのかと思った次第である。


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