原題:『Sausage Party』
監督:コンラッド・ヴァーノン/グレッグ・ティアナン
脚本:セス・ローゲン/エヴァン・ゴールドバーグ/カイル・ハンター/アリエル・シェイファー
出演:セス・ローゲン/クリステン・ウィグ/ジョナ・ヒル/ビル・ヘイダー/サルマ・ハエック
2016年/アメリカ
教養豊かなポルノアニメについて
『トイ・ストーリー』(ジョン・ラセター監督 1995年)のアダルト版、あるいは『テッド』(セス・マクファーレン監督 2012年)のアニメーション版とでも言えばいいのか、いずれにしても日本人には絶対に制作できない類の映画だと思う。
それは凝りに凝った下ネタのみならず、例えば、ミートローフ(Meat loaf)が活躍するシーンにおいてロックシンガー「ミートローフ(Meat Loaf)」のヒット曲「愛にすべてを捧ぐ("I'd Do Anything for Love (But I Won't Do That)" )」を使用するのみならず、1977年リリースされたアルバム『地獄のロック・ライダー(Bat Out of Hell)』のアルバムジャケットまで「引用」している。
あるいは車イスに乗ったガムはイギリスの理論物理学者のスティーヴン・ホーキングをイメージしているようなのだが、寧ろその佇まいから『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb)』(スタンリー・キューブリック監督 1964年)の主人公のストレンジラヴ博士(Dr. Strangelove)が『ターミネーター2(Terminator 2: Judgment Day)』(ジェームズ・キャメロン監督 1991年)のキャラクター「T-1000」の再生能力を備えたように見える。
ハリウッドのコメディー作品を観ていつも思うことは、底知れぬネタの豊かさなのである。