MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『天使にショパンの歌声を』

2017-01-25 00:34:16 | goo映画レビュー

原題:『La Passion d'Augustine(=オーギュスティーヌの情熱)
監督:レア・プール
脚本:レア・プール/マリー・ヴィエン
撮影:ダニエル・ジョビン
出演:セリーヌ・ボニエ/ライサンダー・メナード/ディアーヌ・ラヴァリー/ヴァレリー・ブレイズ
2015年/カナダ

伝統や歴史に立ち向かう「姿勢」について

 作品内で流れる音楽そのものは悪くない。主人公のアリスを演じたライサンダー・メナードはプロのピアニストだけあってバッハやショパンの「別れの曲」など演奏には文句のつけようがないのだが、物語には問題がある。
 その修道院の寄宿学校は音楽コンクールで入賞者を輩出するなど、実績があるにも関わらず採算が取れないという理由で閉鎖されようとしている。校長のオーギュスティーヌは光熱費など節約することで存続を求めようとしている時に、彼女の姉が現われトロントで音楽の教師をするために娘のアリスを預かって欲しいと頼まれ引き受ける。アリスはピアノに関して驚くべき才能を示すのだが、独学のためにそれ以上才能が伸びないと感じたオーギュスティーヌは楽譜に正確に練習するようにアドバイスをする。
 ところが話はだんだんと雑になり、教師に叱責されたアリスが友人と寮を脱走してクラブで男性と密会したり、アリスの母親が不治の病を患って亡くなったり、異動させられることになったオーギュスティーヌが辞職後すぐに自身の音楽学校を設立出来てラストでアリスがコンクールで優勝したりと話がせわしなくとっ散らかっており、寄宿学校にいたその他の修道女たちがどうなったのかもよく分からずストーリーは消化不良のまま終わってしまっている。そもそも教室の黒板の板書から1月から4月頃の話であることは分かるが、正確な時代さえよく分からない。
 しかしそれはともかくとしてオーギュスティーヌを演じたセリーヌ・ボニエが50歳というのは驚きだ。


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