MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『私がやりました』

2023-12-01 00:55:54 | goo映画レビュー

原題:『Mon crime
監督:フランソワ・オゾン
脚本:フランソワ・オゾン
撮影:マニュエル・ダコッセ
出演:ナディア・テレスキウィッツ/レベッカ・マルデール/イザベル・ユペール/ファブリス・ルキーニ/ダニー・ブーン/アンドレ・デュソリエ
2023年/フランス

所詮「お芝居」でしかない人生について

 時代設定が1935年というところが上手い。それでなければ拳銃を所持しているだけでマドレーヌが犯人だと決めつけることはできないからである。主人公で新人女優のマドレーヌ・ヴェルディエは演劇プロデューサーのモンフェランに仕事を与える代わりに関係を迫られて襲われそうになる寸前に彼の屋敷から逃げ出せたのだが、その後銃殺されたモンフェランが発見され、部屋に拳銃を所持していたマドレーヌに容疑がかかり裁判沙汰になるのだが、同居していた彼女の友人のポーリーヌ・モレオンは若手の弁護士で、敢えてマドレーヌが殺したことにして正当防衛を主張して無罪を獲得するという展開は、今でいう「炎上商法」と言えるであろう。
 ところが無罪になったどころか仕事の依頼まで殺到するようになったマドレーヌのことを面白く思わない人間がいて、本当にモンフェランを銃殺した大女優のオデット・ショーメットである。オデットは二人に30万フランを要求し、さもなければ自分が所有しているモンフェランの財布を証拠として警察に差し出すというのである。
 やがて三人が手を組むことになり、マドレーヌを気に入っている建築家のフェルナン・パルマレードに手伝ってもらい、マドレーヌの恋人のアンドレ・ボナールの父親で「ボナール・タイヤ」の社長であるボナール氏が会社の資金繰りに困っているところにパルマレードに資金を出してもらうことでマドレーヌとアンドレの結婚も認めさせるのである。つまり本作は人生そのものが「芝居」だと証明してしまうのである。とてもよく出来たコメディ作品だと思う。


gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/moviewalker/entertainment/moviewalker-1163523


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