MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『インフィニティ・プール』

2024-06-05 00:59:03 | goo映画レビュー

原題:『Infinity Pool』
監督:ブランドン・クローネンバーグ
脚本:ブランドン・クローネンバーグ
撮影:カリム・ハッセン
出演:アレキサンダー・スカルスガルド/ミア・ゴス/トーマス・クレッチマン/クレオパトラ・コールマン/ジャリル・レスペール
2023年/カナダ・クロアチア・ハンガリー

男になるための「イニシエーション」について

 まるで子供が大人の男になるまでの「イニシエーション」が描かれているように思った。主人公のジェームズ・フォスターは小説家なのだがスランプに陥り書けなくなっているものの、妻のエムの実家が資産家であったことでお金に困ることはなく、高級リゾート地にヴァカンスで訪れる。そこでジェームズのファンだというガビ・バウアーに声をかけられ、ガビの夫のアルバンと共に禁止されている敷地外へドライブに出かけるのだが、ジェームズが立小便をしている時に背後からガビが手を伸ばしてきてジェームズの男性器をしごいて「精通」させるところから「イニシエーション」は始まる。
 最初は自分のクローンを身代わりにやりたい放題できることに快楽を感じていたジェームズだが、やがてハードルが高くなりガビたちが連れて来たクローンがジェームズ自身だと分かった時に、ジェームズはようやく正気になりパスポートを手にして逃げようとするものの、ガビたちに捕まりガビたちが犬のように連れて来たジェームズのクローンを殺すように命じられる。それができた時にジェームズは「一人前」として認められるのである。ジェームズは自身のクローンを殴り殺したものの、心に負った傷は大きく、ガビは自分の乳房を差し出してジェームズに吸わせることで慰めるのである。
 休暇が終わり、ガビたちが帰国する時にジェームズもアメリカに帰国するつもりだったのであるが、ジェームズはリゾート地に留まることにする。リゾート地で苦悩する男が帰国したところで日常が楽になるわけがないからである。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/moviewalker/entertainment/moviewalker-1190945


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