原題:『あの頃。』
監督:今泉力哉
脚本:冨永昌敬
撮影:岩永洋
出演:松坂桃李/仲野大賀/山中崇/若葉竜也/芹澤興人/コカドケンタロウ/大下ヒロト/山﨑夢羽
2021年/日本
「ヲタ活」と呼ばれる袋小路について
モーニング娘。を始めとする「ハロー!プロジェクト」所属のアイドル好き、通称「モーヲタ」の「生態」が描かれた本作で、彼らの心情が多少なりとも理解できるのかと期待して観に行ったのだが、却ってますます分からなくなってしまった。
主人公の劔樹人がアイドルの松浦亜弥のファンになったきっかけは彼が大学生だった2004年にたまたま見た「♡桃色片想い♡」のDVDである。松浦やモーニング娘。を好きになる理由はつんく♂が作る楽曲にもあると思うのだが、大ヒットした曲はともかくとしても、彼女たちの曲にそれほどの魅力がなくなりヒットしなくなってもファンでいられる心情が分からないし、松浦を応援していたファンがその後別の若いアイドルを「推し」として応援できる心情も分からないのである。
生身の女性と深く関わることもなく「ハロプロあべの支部」を立ち上げファンミーティングなど地道な活動の果てに若くしてコズミンは末期がんに侵され、美少女フィギュアを握りしめながら亡くなっていく様子は無惨に見えて仕方がない。もちろんどのような生き方を選ぶかは自由ではあるのだが、それが「選択」ならばまだしも「袋小路」だとするならば気の毒に思えてしまうのである。
gooニュース
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