MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『シン・仮面ライダー』

2023-09-15 00:51:57 | goo映画レビュー

原題:『シン・仮面ライダー』
監督:庵野秀明
脚本:庵野秀明
撮影:市川修/鈴木啓造
出演:池松壮亮/浜辺美波/柄本佑/西野七瀬/長澤まさみ/塚本晋也/手塚とおる/松尾スズキ/竹野内豊/斎藤工/森山未來
2023年/日本

生まれた時代から逃れられないヒーローについて

 元の石ノ森章太郎原作の特撮テレビドラマ『仮面ライダー』が子供用だったことから、大人の観賞にも耐えられるように庵野秀明監督によって制作された本作は、なるほど仮面ライダーがショッカーをぶん殴るたびに血飛沫が上がるのだから、子供は見ていられないではあろう。しかし主人公である本郷猛も急に仮面ライダーにされたようで、自分の状況が全く分かっておらず、組織から脱走の手助けをした緑川ルリ子の言いなりで、寧ろルリ子が本作の主人公のように見える。
 このニヒリスティックな「乾いた」雰囲気に既視感があると思っていたら、昔のATG作品に似ていて、社会に翻弄される主人公としっかりしたヒロインの組み合わせのように見える。確かに特撮テレビドラマ『仮面ライダー』が放送された1971年は「負け戦」が極めて濃厚になってきた学生運動の終焉頃だから、そのような雰囲気は残っているのであろう。
 ヒロインの緑川ルリ子に浜辺美波をキャスティングするセンスもさすがだが、ハチオーグ(ヒロミ)を演じた西野七瀬と殺陣の相性が良いことを知っていたこともさすがとしか言いようがない(『キャバすか学園』参照)。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/npn/entertainment/npn-200028187


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