MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ザ・クリエイター/創造者』

2023-10-26 00:59:36 | goo映画レビュー

原題:『The Creator』
監督:ギャレス・エドワーズ
脚本:ギャレス・エドワーズ/クリス・ワイツ
撮影:グレイグ・フレイザー
出演:ジョン・デヴィット・ワシントン/ジェンマ・チェン/渡辺謙/スタージル・シンプソン/マデリン・ユナ・ヴォイルズ/アリソン・ジャネイ
2023年/アメリカ

アメリカ人が理解できない「ニューアジア」について

 物語の基本は「人類 vs. 人工知能」なのだが、よくよく見ると人類は「アメリカ」そのもので「人工知能」は「ニューアジア」と呼ばれる場所である。「ニューアジア」はロサンゼルスを核爆弾で荒廃さえた元凶で、アメリカが攻撃を仕掛けるのである。ところで「ニューアジア」とは何なのか? かつてアメリカは朝鮮戦争やヴェトナム戦争で手ひどい洗礼を受け、21世紀になると中国、韓国、インドがAIを駆使して世界を席巻し(明らかに日本は乗り遅れたが)、いまだにアメリカは「アジア」というものを、先進なのか発展途上なのかさえ把握しきれていないのである。
 「ニューアジア」を支えている中心人物がアルフィーと呼ばれる少女で、彼女はアジア人のマヤ・フェイ=テイラーと元特殊部隊のアメリカ人であるジョシュア・テイラーの娘という点がミソで、「ニューアジア」がアメリカに多大な影響を受けていることは間違いないのであるが、それでもなおアメリカ人には「ニューアジア」が理解できないのである。
 だからアメリカにとってはアルフィーを捕らえることがアジアの理解につながるはずなのであるが、捕えてはみたものの、アルフィーを殺すまでには至らない。アルフィーはアメリカにも出自を持つから、結果的にアルフィーが死ぬことはなくアメリカは悩み続けるのである。例えば、渋谷のビルに取り付けられている大型ヴィジョンには「Wanted」という文字と共にジョシュアの顔が映されるのであるが、日本語が「募集」となっており、これは明らかに「指名手配」の間違いなのであるものの、「ニューアジア」は相変わらずアメリカ人に理解されていない証拠が不覚にも示されてしまうのである。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/thetv/entertainment/thetv-1163601


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『造花の判決』 | トップ | 『キラーズ・オブ・ザ・フラ... »
最新の画像もっと見る

goo映画レビュー」カテゴリの最新記事