高級妓楼が建っていた所は現在警備会社になっており、その対面辺りに木製の祠がある。中には穏やかな表情の二体の地蔵が祀られている。
台座の下部に「新見世中」という文字などが刻まれているので遊廓関係者によって建立されたものと考えらえる。玉島町遊廓は天満町遊廓とも呼ばれるが、「全国遊廓案内」に記載のある玉島町遊廓の名称を用いることにする。
玉島(稲荷町・天満町界隈)の魅力の一つは築100年以上と思しき商家が存在感を示していることである。富の象徴であるなまこ壁や虫籠窓の形状を見るだけでも楽しい。北前船などの寄港で玉島が非常に栄えていたことを如実に物語っている。