寮管理人の呟き

偏屈な管理人が感じたことをストレートに表現する場所です。

備後福山城の舟入・二重櫓台遺構(後編)

2013年08月29日 | 郷土史
二重櫓台の南側石垣上部前に「舟入は、保存のため埋め戻して地表にラインを表示…」と記されているが、城マニアは別として市外や県外の方は理解に苦しむと思う。そこで『新版福山城 / 福山市文化財協会(2006年)』の付録を拡大して説明しよう。


石垣

福山城全景復元図(巻末封入)

先ずは福山城全景復元図をご覧いただこう。御水門の下(=南)、二重櫓と書かれているところに私は立っている(→赤紫色のライン)ことになる。『新版福山城』の31ページ(三之丸南側)には「勘定所東に二重櫓(五間・五間)が付櫓(三間半・二間)をともなって、北に水門(二間半)が外堀から入り込み、石段を下って堀の水を汲めるようになっていた」という記述がある。

福山城周辺今昔対比地図(巻末封入)

続いて福山城周辺今昔対比地図で舟入状遺構の場所を確認しよう。バス案内所は舟入・二重櫓があった場所のすぐ東(南外堀を埋めた上)に建設されたことが分かる。『新版福山城』は郷土史を研究する上での必読書であり、抑制のきいた文章で手短にまとめられているのが素晴らしい。地図を片手に変化し続ける福山市中心部を歩いて江戸期の情景を思い浮かべるのもなかなかオツなものだ。過去と現在はちゃんと繋がっているのだから。

『新版福山城 / 福山市文化財協会(平成18年・2006年)』

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備後福山城の舟入・二重櫓台遺構(前編)

2013年08月29日 | 郷土史
若い頃に福山まで車を飛ばして飲みに来ていたと言う岡山人から最近のJR福山駅南口の様子を尋ねられた。私は簡潔に「小奇麗になりましたよ。今はさんすて(旧サントーク)の拡張工事をやってます」と答えておいた。

一回り以上年上の彼が新しくなったバス乗り場を見たら少しは驚くだろう。地下送迎場の建設を急ぎたい市と福山城遺構の保存を求める市民団体との間には過去激しいやり取りがあって舟入・二重櫓台の南側石垣が築城当時の高さに復元され上部のみが一般に公開されている。福山城は三十万石クラスの大名の城に匹敵するほどの規模であった(これには徳川家康公と初代福山藩主・水野勝成公とはいとこにあたることが関係している)

福山城のパネル

福山城
 備後福山城は、江戸時代初期の1819年(元和5年)に、備後10万石の藩主として配置された譜代大名の水野勝成により築城された近世城郭で、1822年(元和8年)に完成しました。
 五層の天守を中心として、7棟の三重櫓、14棟の二十櫓、多くの渡櫓が建ち並び、内堀と外堀を備えた壮大な平山城で、外堀は築城当初、入江(入川)を通じて海と直接つながっていました。
 福山城は、江戸時代を通じて、水野氏、松平氏、阿部氏と続いた福山藩政の中心的な施設としての役割を果してきました。明治維新の後、廃城令により、天守、伏見櫓、筋鉄御門などを残して城の建物は撤去されました。さらに内堀、外堀も鉄道用地や市街地化にともなって昭和初期には全て埋められました。

二重櫓台の石垣

御水門入口の石段

「福山駅前に残る福山城遺構のパネル」には発掘時の二重櫓台の石垣、御水門入口の石段の写真が補足説明として印刷されている。福山駅の在来線ホームから私が撮影した発掘調査の写真も参考にしていただきたい。

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倉敷市玉島中央町1丁目5・築山製パン所のメロンパンに感動! 

2013年08月29日 | 
玉島巡りを終えてバス乗り場へ向かう途中に見つけたシブいパン屋さん。大正元年(1912)創業ということだから私が入店した時には百周年を迎えていたことになる。

メロンパンのパッケージ

お昼頃陳列してあるパンは既に残り少なかった。その中で私が手をのばしたのはメロンパン(売価100円だったと思う)だった。パッケージのデザイン・m(メロンの頭文字)の先にマスクメロンがぶら下がっているのが面白い。

メロンパン

格子状の溝が入ったメロンパンの外側はサクサクで内側はふんわりしている。控えめに挟まれたバタークリームがいかにも昭和の味で泣かせる。いい大人でさえも冷たい牛乳と一緒に食べたくなるような菓子パンだ。

関西や広島県の一部ではメロンパンのことをサンライズと呼ぶようだが、福山(備後地方)ではメロンパンの名称が普通である。少なくとも私は親や友達がサンライズと言うのを一度も聞いたことはない。福山は岡山食文化圏に含まれるので当然だろう。

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