(画像:山梨県北杜市武川町山高付近)
名の付いた銘木でなくても、これくらいの迫力ある桜ならそこかしこで見られる峡北地域。
「わに塚の桜」を後に、釜無川を渡りR20を北上すると北杜市。
旧武川町の丘陵地、甲斐駒ケ岳を望む場所に今日二つ目の桜を探しに行きます。
お次は「山高(やまたか)の神代桜」。
日蓮宗のお寺である「実相寺」と言う寺の境内にある桜なんですが、なんと樹齢2000年にして日本三大桜の一つだと言う古木。
2000年前って事は、ほぼ紀元後全部って事になるのだが本当なんだろうか(笑)。
ちなみに「日本三大桜」は「三春の滝桜(福島)」「根尾谷の薄墨桜(岐阜)」そしてこの「山高の神代桜(山梨)」なんだそ~な。前の二つに比べて極めて知名度が低いと思うのだが…これが「日本三大桜名所」になると「弘前城公園(青森)」「高遠城址公園(長野)」「吉野山(奈良)」なんだって。ともあれ、日本三大のうちの一つと言われれば、この桜の価値もイーハン上がるってもんです。あ、イーハンって言ってもご飯一杯って事じゃないですよw
実相寺の境内の風景。正直、この時期は寺としての体裁よりも桜の方が目立ち過ぎてしまい参拝を怠る不届き者も多いようだ(笑)。そんな訳で参道には「お花見は参拝をしてから…」と言う看板があった。しっかり手水を頂き参拝。神代桜の他にも株分けされた薄墨桜やら相当量の桜の大木がみっしりと花を付け、スイセンの黄色とともに鮮やかな花の寺。
これが境内の左奥に鎮座まします山高の神代桜。古木らしく、樹木としての勢いは衰えたもののこの春もしっかりと花を咲かせている。咲かせるための管理や苦労も相当なものだろうが…支柱によって支えられた横枝、折れ曲がりうねる根元部分のコブに、さすがに2000年の年月を感じる。わに塚の桜の勢いとは違った老雄の無言の重みと言う感じだろうか。
雲間から弱く漏れて来る光を使ってモノクロ風に。
桜と言うのは妖艶な雰囲気も魅力の一つと思うのだが、2000年と言う時を経て醸し出される雰囲気は若いだけでは決して出せないと言う事か。
幹の折れ方にちょっと痛々しい部分もあるが、人間でも長い事生きてればキズだの傷みだのは出て来るもの。人間なんてこの神代桜に比べればどんなに長くたって20分の1生きるのがせいぜいで、しかもすべての人間が花を咲かせる訳ではないと言うもどかしさはある(笑)。そう思えば、春が来れば毎年毎年花を咲かせるこの桜は、凄い存在なんだろう。
さて、自分は死ぬまであと何回咲けるのだろうか(笑)。