(二日目・始動@朝5時の名古屋市内)
尾張温泉で温まった後、宿泊地である名港近くのトラックステーションで仮眠。日光川の河口に近い何もない場所にあった。4,000円払ってベッドで寝るだけ。まあ。逆に言えば寝るだけで4,000円も払うならマンガ喫茶でも良かったかもしれないが。設備もカプセルに毛の生えた程度のもんだったし。23時に入って朝5時に出てしまったんで、受付のオッサンも「早いっすな!」なんてビックリしてたけど…ハンドルを握りTSを出る名古屋の早朝。この日はロクヨンを追い掛けて中央西線方面に流します。
まずは朝の6883レを追い掛けて武並のお立ち台へ。宿を5時に出たのに、撮影地に着いたのは7時前。名古屋高速を走るのをケチって下道で春日井ICまで走ったのだが、何気に名古屋市内が信号多くて時間がかかった。田んぼのあぜ道から撮影するんだが、踏み固められたテツの道が出来るほどの名ポイント、朝の低い光線でガッツリとロクヨン重連を抑えられるポイントとあって盛況。この日の東濃地方、朝は氷点下6度まで下がる冷え込みだったのだが、霜の降りた枯野に朝もはよから元気なオトコ達の影が映るのであった。
前走りの211系でデモンストレーションを終え、田んぼの小道に繋がる踏切が鳴り始めたのは7時半少し前。カーブの向こうからロクヨン重連が重々しいブロワ音を響かせながら姿を現しました。この6883レ、引っ張っているタキはついぞ夕べに塩浜でバルブした6286レの荷物。稲沢で一晩明かした後、パートナーをロクヨンに変えて朝の木曽路を信州へ向かいます。
(中央西線6883レ EF641047+EF641022+タキ13B 武並~恵那間)
広角アングルはWBを変えて。冷え込み厳しく澄み渡った東濃の朝の光の中、槇ヶ嶺山のサミットに向けて力行するロクヨン重連。並んだカメラから降り注ぐシャッター音のシャワー。足元までバッチリ光が回る絶妙な角度で、まさに花道とも思えるロケーション。1047+1022のコンビはきちんとエンド揃いなのも嬉しい。お立ち台つーのはまあいい構図でいい光線で撮れるからこそ「お立ち台」と呼ばれるものなんだろうけど、アタクシみたいなのが徒手空拳で撮りに行ってもそこそこ素敵な写真が取れるのだから、そんなお手軽なとこも含めてここ武並のカーブは一級品のお立ち台だと言えるのではないでしょうか。
この辺りはこんな感じで(○の部分がお立ち台ね)複線化の際に上下線を揃えず新設線だけ大きくトンネルを掘ってショートカットした線形になっています。1960~70年代にかけて線形改良のため近代化(複線化)された全国の国鉄幹線筋にありがちなパターンで、関東で身近なところでは中央東線の高尾から塩山辺りにかけてもよく見られますね。上下線が離れた部分は単線的なロケーションで撮れるので名撮影地になりやすく、また線形改良の近代化の結果使われなくなった隧道や橋梁などは山の中に「廃」なものとして残りやすく、それもまた遺構化してはマニア向けの物件になったりもするのであります(笑)。