青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

名阪に 轟く我が名は フェニックス。

2022年06月20日 17時00分00秒 | 近鉄

(次世代名阪特急「ひのとり」@近鉄・大阪難波駅)

阪堺電車でモ161と戯れていると、時間はあっという間に過ぎて帰りの時間が近付いてきました。住吉公園から南海なんばに出て、そのまま御堂筋線で新大阪へ向かっても良かったのですけど、もう一個くらいイベントが欲しくなって近鉄の大阪難波駅へ。ここからは近鉄の新型特急「ひのとり」で名古屋へ出る事にしました。今までのアーバンライナー(UL)からグレードアップした名阪特急の最新型特急車両。4年前に鳥羽に行った際に「しまかぜ」は乗ったので、この車両にも乗ってみたいと思っておったのよね。ってか、近鉄はホント特急車への投資は惜しまないよなあ、と感心してしまう。その分一般車両は年季が入ってるボロばかり(失礼)なのだけど。そうそう、さすがに近鉄も先日一般車両の新型を発表していましたね。何だかJR西日本の323系チックなデザインでしたが・・・

「ひのとり」の一般席。シートを最大までリクライニングさせた範囲まで覆う「バックシェル」を全席に採用しているのが特徴。先頭と最後尾はプレミアム車両って事でハイデッカー構造になっているらしく、その分値段もプレミアムなのだが、近鉄名古屋までで700円しか変わらないと言うならばプレミアムでも良かったか。新幹線の新大阪~名古屋が「のぞみ」の指定席で6,680円、大阪難波~近鉄名古屋が「ひのとり」で4,540円。時間は新幹線が約50分、近鉄が約2時間10分。時間が倍以上かかる事を考えると値段を考えても若干新幹線に軍配が上がりそうですが、ことミナミに用事があるのであれば、なんば~新大阪の20分程度の移動時間を加味するとこの上質感は十分以上の勝負になるのではないかと。

大阪難波を出た「ひのとり」は、大阪上本町、鶴橋と停車するとその先は津と近鉄名古屋しか止まらない。ひたすらに夕暮れ迫る大和路宇陀路を駆け抜け、青山トンネルを突っ切って伊勢路へ入り、津に冷やかし程度に止まってからさらに北勢の平野を突っ走り、後は木曽三川を渡って近鉄名古屋に一直線。これだけ停車駅が少なく懸命に走っても2時間以上かかるのだから、大阪と名古屋って改めて案外遠いんだねって感じ。大阪難波~近鉄名古屋間189.7kmを最速の「ひのとり」は2時間5分で駆け抜けていて、表定速度で言えば91.0km/hだから相当なもんなんだけど、新大阪~名古屋の186.6kmを50分で走ってしまう新幹線が速過ぎるだけって事でしょうね。

なんばの駅で仕入れた551のエビシュウマイとレモンサワーで打ち上げ。実は、JR東海ツアーズが発売している「ぷらっとこだま」という予約商品を使うと、名古屋~新大阪はこだま利用で4,600円。米原・岐阜羽島停車でも1時間10分程度で、料金的にも遜色なく時間で近鉄を圧倒する事が可能だったりもする。そもそも名古屋で結局新幹線に乗り換えて東上するのであれば、新大阪~新横浜も大阪難波~近鉄名古屋/名古屋~新横浜の金額にほぼ差はない。それでも敢えて近鉄で名古屋に出るのは、JRと私鉄で言えば圧倒的に私鉄が好きだからに他ならないのだ(笑)。

近鉄名古屋の駅からJR名古屋駅のコンコースに上がると、コロナ前のような雑踏が広がっていた。東京へ向かう新幹線。現実に引き戻される列車に乗る際は、次の愉しみに向けての考えを巡らせた方が何かと健康に宜しい。さあ、今度はどこへ行こうか?と考える、GW紀州の旅の終わりなのであります。

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