青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

夏景色 丹後の海で 寛ぎを。

2022年09月02日 17時00分00秒 | 京都丹後鉄道(丹鉄)

(丹後の海、緑の道を行く@岩滝口~天橋立間)

京都丹後鉄道自慢の特急用車両、KTR8000形。二代目のタンゴエクスプローラーとして特急はしだて、線内特急の特急たんごリレー他に起用されています。当初は新大阪からの「タンゴエクスプローラー」、京都からの「タンゴディスカバリー」として、エメラルドグリーンとホワイトのツートンカラーで走行していました。1996年製造と落成して25年を超えそう若くない車歴ですが、2015年以降ドーンデザイン研究所によるリニューアル工事が施され、塗装と内装面を一新。「丹後の海」として再デビューしています。元々卵型のフェイスと縦長のワイドな前面ガラスに特徴のある車両でしたが、新デザインではブルー系のメタリックに塗られたせいもあって、そのヌルっとした海坊主感が余計に強調されているような感じも致しますね。

引き続き沿線に出て撮ったり、「海の京都フリーパス」で乗ったり。再び宮津駅前の駐車場にクルマを投げ込み、丹鉄乗り鉄の人になります。お昼を過ぎてすっかり好天となった丹後半島、宮津の駅のホームから見上げた空の夏らしい眩しさ。宮福線から、線内特急「たんごリレー3号」が入線して来ました。以前は新大阪・京都の二方面から直通特急列車を走らせていましたが、現行ダイヤでは京都方面と「特急はしだて」で一本化。新大阪方面は、新大阪~城崎温泉の「特急きのさき」を受ける形で、福知山から線内特急「たんごリレー」が接続する事で便宜を図っています。

入線した「たんごリレー3号」。ホームからフリースペースのラウンジを覗いてみる。木の格子で組み上げた装飾や、木目を活かした車内ラウンジの座席の設え、いかにもな水戸岡氏のそれな雰囲気。そしてよーく見ると、駅本屋から3・2・1・4番線と並び方がグチャグチャな宮津駅。昔の文献を見ると普通に駅本屋から1・2・3・4の並びになってたんだけど、いつ変わったんだろうな。4番は宮福線の福知山との折り返しだけ、2番は豊岡方面、3番は西舞鶴方面とすると、架線の張ってある1番だけが宮福・宮豊両線方面への列車の発車が可能な配線となっているので、それで1番を名乗っているのだろうか。

ひとまず「たんごリレー3号」の自由席へ。宮津でそれなりの乗客が降りてしまったようで、車内は2~3人の乗客しかおらずガラガラもいいところ。お盆明けで平日の昼間の特急なんてこんなもんか。こっち方面に来たい人だったら、午前中の早い便で来るだろうしなあ。床や荷物棚、手すりにも木材をあしらった車内デザインですが、それこそGWに乗った和歌山電鐵の「たま列車」ほどの複雑なギミックの仕込みはなくて、比較的シンプルにまとめられています。まあJRの特急列車で丹後地方へのビジネス需要も満たさないといけないですからね。そう大きな遊び心も取り入れにくいか。化粧台なんかはオシャレだったなあ。

やはりこの車両はラウンジが白眉ですかねえ。ゆったりとした横掛けのソファ、運転台後ろには簡易テーブルを付け、乗務員室脇の壁を取っ払って前面展望を利かせたお立ち台になっている。ラウンジにいた二人連れが天橋立で下車してしまうと、完全に自由席車内は自分だけの貸し切りとなった。一人静かに流れゆく阿蘇海の景色や与謝野の古い家並み、そして丹後の夏景色をラウンジから眺めているのは、なかなか気分の良いもの。これで車内販売でもあればよかったのだけど、そういうサービスは観光列車だけみたいですね。この列車は網野行きですが、ひとまず京丹後大宮まで乗って行く事にしましょう。

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