青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

変わるもの、変わらぬものが交差して。

2021年07月01日 17時00分00秒 | 富山地方鉄道

(右書きの駅@西魚津駅)

久し振りに、西魚津の駅に来てみました。ここも年季の入った駅舎が健在で、駅名が右から書かれているのは越中三郷や寺田などと同じ。駅舎周りを囲むトタン屋根は、大きな束石に立てられた柱に支えられています。ちなみに、GWに長電に行った時も同じことを言いましたけど、雰囲気ある駅舎の正面にハデハデしい色合いの自販機を置かれてしまうことの興醒め感なあ。全くもってマニア的な視点は恐縮なんだが、出来る事なら何かのご配慮をお願いしたい・・・ささやかな増収策の一環ではあるのだろうけど。

何だか、地鉄を訪問するたびに、車両もあるけど結局はそれを取り巻く駅舎だったり、待合室だったり、ホームだったり、全体的なシチュエーションの魅力なのかなと思い始めている。その魅力をどう切り取るか、切り取れているのか・・・ってのはあるんだけど、最近視点がマンネリ気味かなあ。この西魚津の駅は、駅前に立つ大きなクスノキ?がランドマーク。ホーム側から見ても、その存在感が引き立っています。ずーっと昔っから改札口に掛かってる「魚津水族館」の看板、確かにここから歩いて10分くらいの最寄り駅なんだけど、この駅からアクセスする人はどんだけいるんだろうか。

西魚津の駅と言えば、並走する北陸本線の築堤を眺められる駅でもあって。・・・あ、今は「あいの風とやま鉄道」になってしまったか。北陸新幹線が開通するまでは、日中なら越後湯沢に向かうはくたかや北越、早朝ならば金沢に向かう急行能登やブルトレ北陸、大阪へ向かう日本海やトワイライトが雁行して行く姿を眺められたことでしょう。北陸地域って、新幹線が通ったら三セク転換される事が決まってたから、最後まで積極的な車両設備投資が抑えられてたトコありますよね。489系だの583系だの457系だのが、開通の少し前までは普通に走ってたから。

国鉄からJRへ、そして様々な三セク会社により経営が分断された築堤上の北陸本線。対して地鉄は地鉄のまま、築堤の下で変わらぬ時を刻む西魚津の駅。EF81に代わり、日本海縦貫線の主力となったEF510牽引のコンテナ貨物。日本海側の物流を担うエースは、さしずめ現代の北前船か。


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