(猛暑に一服の涼@本宮砂防堰堤)
弥陀ヶ原の南側にある立山カルデラは、日本でも有数の活動量の多いカルデラで、現在でも崩壊を繰り返しては常願寺川の下流へ大量の土砂を押し流しています。ひとたび暴れれば、富山平野の豊かな耕土を覆いつくすほどの大量の土砂や岩石を流し込んで来た立山カルデラ。現在は、立山砂防軌道による懸命な治山工事と、幾重にも建設された砂防ダムによって、カルデラの崩落防止と常願寺川の治水がおこなわれています。この辺りの常願寺川は、山間に大きな大きな氾濫原を作って流れて行くのでありますが、急流・・・と見せかけて、比較的河川勾配は緩やか。その要因が、カルデラから大量に流れ込んだ土砂を受け止めるこの本宮砂防堰堤にあります。高さ22m、幅107m、貯留する土砂は500万㎥。500万㎥って言われてもどのくらいの量だかなかなかピンと来ないのだが、東京ドーム1個分の容積が125万㎥くらいみたいなんで、この砂防堰堤の向こうに東京ドーム4杯分の土砂を溜め込んで氾濫原を作り、万が一があった時に下流へ向かって流れる土砂の速度を緩やかにしている訳だ。砂防ダムなので自然に作られた滝とは違うが、堰堤を超えてビロードのようにきれいに糸を引いて二段に落ちて行く水の風景は優美。猛暑の中で、一服の涼である。
富山シリーズの冒頭でもご紹介したが、そんなこんなでこの日は涼を求めて、本宮砂防堰堤の下流での川遊び。頭の上から降り注ぐ焼けつくような日差しは容赦なかったが、それでも足元だけはせめてもの涼しさがあった。足元に流れる立山源流の冷たさを味わいながら、常願寺川の谷底から仰ぎ見る千垣の鉄橋。谷を彩る木々の緑よ、岩を流れる水の青さよ、そして沸き立つ雲の白さよ。雷鳥が天翔ける立山路、盛夏を満喫のひとときである。
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