上京の機会があり、京都駅で新幹線に乗り換える前に雑誌の1冊でも買おうかとコンコースの書店を訪ねると、西田文郎著『はやく六十歳になりなさい~後悔しないラストチャンスの生かし方』(現代書林)という本が平積みされていた。ぱらぱらとめくると、なんだか元気が出てきそうな言葉が並んでいたので衝動買いし、新幹線に飛び乗り、一気に読んだ。
最近よく出ているシニア世代の生き方を説いた本だ。この手の本は私もよく手にしていて、楠木新著『定年後 - 50歳からの生き方、終わり方』 (中公新書) や弘兼憲史著『弘兼流 60歳からの手ぶら人生』(海竜社)は、興味深く読み終えた。『はやく六十歳になりなさい』は、著者が得意とする脳科学(メンタルトレーニング研究)の成果が取り入れられ、より直接的・具体的に記述されているのが特徴だ。Amazonの「内容紹介」には、
◎60代からをワクワク生きる! 上手な「脳」の使い方◎
日本におけるメンタルトレーニング研究・指導のパイオニアとして、日本の経営者、ビジネスマン、トップアスリートの能力開発に多数携わってきた西田文郎氏は「人生の大チャンスは60代にこそある」と説く。
「もう、年だ」「もう、しんどい」「もう、いいや」「もう、モテない」このような口グセを頻繁に口にしているようなら、要注意! 「〝もう年だ"の法則」にはまっています。
「もう、〇〇だから」を口にするごとに、脳に老化が強化され、イヤでも老化が実現されてしまうのです。本書では「60代から」をワクワク生きるための「上手な脳の使い方」を伝授しています。60代からをワクワク生きたい人は、ぜひ、この本を読んでください。
目次とか著者からのメッセージはあとで紹介するとして、私が「なるほど!」と膝を打ったくだりを以下に抜粋しておく。
脳はイメージを実現するために全力で働き、全身はその指示によって動きます。つまり、脳が何をイメージするかによって、人間の行動が変わってきます(3 シニア化現象には気をつけろ)。
年寄りがグチっぽいのではありません。グチっぽい人ほど老化が進みやすいのです(4 十歳若返るのは、あきれるほど簡単だ)。
人間の大脳には140億個から160億個の神経細胞がびっしり詰まっているといわれています。この膨大な数の脳細胞は、その働き方によって、大きく2つに分類することができます。ひとつは「流動型」、もうひとつは「結晶型」です。「流動型」というのは、物事をじっくり考えるときに活動する脳細胞の働き方です。数学の問題を解くような、論理的な思考では「流動型」が使われます。(中略)ただし、流動型は20歳を過ぎると衰えるといわれています(5 感動を忘れたとき、人は惰性で生きる)。
一方、「結晶型」のほうは論理的というより直感的です。(中略)物事の受け止め方にはすべて、「結晶型」の判断が影響しています。もっと言えば、「結晶型」が判断材料にする過去の記憶データの性格によって、私たち個人の世界は成り立っているといって過言ではありません。(中略)60歳を過ぎたら「結晶型」で勝負する。このことを、ぜひ覚えておいてください(同)。
老いも若さも錯覚だというお話をしました。人間には体の衰えはありますが、心は衰え、老いるのではなく、変化していくものなのです。それまでの経験を糧に、階段のようにステージを上がっていくイメージです(7 生きるとは、新しい心のレベルへ進むこと)。
「会社」や「家」「競争」から解放されると、心の奥底に秘めてきたそれ(本当にやりたいこと)に気づくことができるのです(9 六十代は競争から解放される)。
六十代からの人生は、会社や組織のためでなく、100パーセント自分のために生きる生き方なのです。(中略)怖いものがなくなるほど、人は本当にやりたいことができます。もう誰に遠慮することもありません。心のブレーキを解き放ち、厚かましく、図々しく、自分のやりたいことを思い切りやればいいのです(10 六十代は背負った義務から自由になれる)。
六十歳を過ぎても七十歳になっても、社会的に活躍するのに十分な「保有能力」があるのです。「保有能力」とはその人に蓄えられている能力です。もうひとつの能力が「発揮能力」で、ビジネスなどの成果や成績、スポーツでは本番で実力を発揮できる力のことです(11 六十歳で燃え尽きる人、六十歳で夢を語る人)。
・六十歳は、老いの入口である
・六十代は、可能性が残されていない
・六十代になったら、もう失敗はできない
・六十代は、もう人生に疲れている
・六十代になって、異性を愛するなんてみっともない
・六十代になったら、健康に気を使いムリをすべきではない
これらは皆、六十代をつまらなくしてしまう「六十代の前提条件」です(13 間違った辛抱はやめて、もっと大胆に生きていい)。
・子どもの頃、夢中だったことは何か
・若いときにあきらめた夢は何か
・自分は何をするのが一番楽しいか・世の中のために自分が役立つことは何か
・父親、母親は、あなたが何をすることを一番喜んでくれると思うか
・あなたの強みを一番生かす道は何か
あなたのやりたいことも、きっとここにある問いの中に隠れているに違いありません(14 「今まで」を捨てると「これから」に出合える)。
他人を喜ばせたい―そう思えるのは、ひとつの能力です。私はこの力を「他喜力(たきりょく)」と言っています。(中略)誰かの喜びを願い行動するとき、六十代からどう生きたらいいかが見えてきます(同)。
一般的な六十歳の人より自分はこういうことができるということを、六つ書き出せたら、人は皆プラス思考になり、優越の錯覚が持てます(16 「強み」が分かると人は行動したくなる)。
六十歳を過ぎたら苦手なことは人にやってもらって、自分の経験値を徹底的に生かしていきましょう(17 自分に評価を与えよう)。
六十代とは、自分を誰かのために役立てる年代なのです。後輩たちに背中を見せて、何かを残すときなのです(18 誰かのために自分を生かす人はカッコいい)。
ツキとは人との出会いであり、運とはツキの連続であると書きました。自分だけを頼ろうとする人間は、ツキにも幸運にも見放されることになります(19 良い人間関係は最大の財産)。
タイムリミットが近づいてくると、それまで曖昧だった何かが明確になる―。つまり、自分が今、何をすべきかが分かってくるのです(21 死というタイムリミットが、生き方に変革を起こす)。
トラは死して皮を留(とど)め人は死して名を残す」というけれど、あなたはいったい何を遺したいか、と。人間は、後に遺すものによって、歩んできた人生の意義が分かるのです(30 あなたはこの世に何を遺のこすのか)。
以上が私が「勘どころ」と思った部分である。これでほとんどカバーできていると思うが、版元のHPから、紹介文や目次を抜粋しておく。ピンと来られた方は、ぜひ本書をお買い求めください!
日本におけるメンタルトレーニング研究・指導のパイオニアとして、日本の経営者、ビジネスマン、トップアスリートの能力開発に多数携わってきた西田文郎氏は「人生の大チャンスは60代にこそある」と説く。
「60代までは組織のため、家族のため、生活費を稼ぐための人生」かもしれないが、「60代以降は自分のための人生」になる。経験、能力は若い頃よりも備わっているし、豊かな人間関係もあるわけだから、それらを強みにして生かせばどの世代よりも自由に生きられる、というわけだ。
しかし実際は、60代になると多くの人たちがチャレンジしなくなる。その要因は自分の脳にある。「シニアだから」「もう年だから」という世の中の常識に囚われて夢や願望を描けなくなるのだ。では、どうしたらよいのか。
本書では「第2の人生」をうまく生きるための<西田流「上手な脳の使い方」>を伝授する。60代からをワクワク生きたい人は、ぜひ、この本を読んでほしい。自分らしい生き方がきっと見えてくるはずだ。
【著者からのメッセージ】
誰の人生にも、何度か大きなチャンスがあります。それをものにできる人と、ものにできない人がいます。60代は誰にでも訪れる人生最大のチャンスです。この本でお話しするように、人生のピークは60代にあります。
脳の機能について長年研究を重ねてきた私から申し上げると、60代というのは、人生で最も豊かで可能性に満ちた年代なのです。人生一番のハイライトです。60代は、競争から解放されます。そして、哲学的な考え方ができるようになります。ですから、心が純粋になり「自己実現」に向かいやすいのです。
むしろ20代~50代は、そのための準備期間だったとさえ言えます。つまり20代~50代までに蓄えた経験と知恵のすべてを使って60代からは誰にも支配されず自由に生きることができるのです。
「これまでの人生はウォーミングアップである。これからがスタートだ」今、この時がスタートラインです。20歳でも60歳でも、自己実現に年齢は関係ありません。60代を人生の絶頂期にするのか、60代を台無しにしてしまうのか。その決断は自分自身が握っています。
〈「60代のチャンスを生かす人」の「脳の使い方」のコツ〉
●シニアのイメージに囚われるのをやめる。
●組織から個人へと考え方をシフトする。
●毎日を楽しみ、新しいことにチャレンジする。
●自由で大胆な発想をしてみる。
●間違った辛抱はやめる。
●これまでの人生を振り返ってみる。
●「自分の強み」を6つ書き出してみる。
●自分を評価して、もっと好きになる。
●これまでの人生での人間関係を思い返してみる。
●特技やスキル、知識や経験などを後輩や若い人たちのために役立てる。
●「第2の人生の計画書」をつくる。
●いい齢をしてまだすねをかじっている息子や娘がいたら自立させる。
●「もう、年だ」という思いが浮かんだら「いやまだ、〇歳じゃないか」と言い換える。
●「はぁ~」「疲れた~」などの年寄り言葉が出たら、「すてき」「楽しい」などの元気になれる言葉に言い換える。 etc.
まえがき
第1章 老いは錯覚である
1 何が六十代からをつまらなくしてしまうのか
2 幸せも不幸せも自分の脳が決めている
3 シニア化現象には気をつけろ
4 十歳若返るのは、あきれるほど簡単だ
5 感動を忘れたとき、人は惰性で生きる
第2章 人生の変わり目は六十歳にやってくる
6 六十代の脳も進化する
7 生きるとは、新しい心のレベルへ進むこと
8 心が成熟するから分かる「人生の豊かさ」
9 六十代は競争から解放される
10 六十代は背負った義務から自由になれる
第3章 六十歳になったら、もう反省はいらない
11 六十歳で燃え尽きる人、六十歳で夢を語る人
12 世の中の常識に従って生きても面白くない
13 間違った辛抱はやめて、もっと大胆に生きていい
14 「今まで」を捨てると「これから」に出合える
15 誰かを喜ばせるほど、あなたの喜びが増えていく
第4章 六十代には「強み」がある
16 「強み」が分かると人は行動したくなる
17 自分に評価を与えよう
18 誰かのために自分を生かす人はカッコいい
19 良い人間関係は最大の財産
20 夫婦関係も六十歳までに整理する
第5章 死が近づくと見えてくる「本当の自分」
21 死というタイムリミットが、生き方に変革を起こす
22 感謝するほど脳は本気で動きだす
23 もし、人生が残り三日だったら?
24 死に方にもツキと運がある
25 心の決断に耳を澄まそう
第6章 六十歳からのラストチャンスの生かし
26 やりたいことを純粋に追求すればいい
27 六十代からの生き方にも計画は欠かせない
28 動機が純粋になるから気づけることがある
29 「やらない不幸」と「やった幸せ」
30 あなたはこの世に何を遺のこすのか
あとがき ―「ウソの人生」は捨てて、大胆に生きよう
最近よく出ているシニア世代の生き方を説いた本だ。この手の本は私もよく手にしていて、楠木新著『定年後 - 50歳からの生き方、終わり方』 (中公新書) や弘兼憲史著『弘兼流 60歳からの手ぶら人生』(海竜社)は、興味深く読み終えた。『はやく六十歳になりなさい』は、著者が得意とする脳科学(メンタルトレーニング研究)の成果が取り入れられ、より直接的・具体的に記述されているのが特徴だ。Amazonの「内容紹介」には、
はやく六十歳になりなさい~後悔しないラストチャンスの生かし方 | |
西田文郎 | |
現代書林 |
◎60代からをワクワク生きる! 上手な「脳」の使い方◎
日本におけるメンタルトレーニング研究・指導のパイオニアとして、日本の経営者、ビジネスマン、トップアスリートの能力開発に多数携わってきた西田文郎氏は「人生の大チャンスは60代にこそある」と説く。
「もう、年だ」「もう、しんどい」「もう、いいや」「もう、モテない」このような口グセを頻繁に口にしているようなら、要注意! 「〝もう年だ"の法則」にはまっています。
「もう、〇〇だから」を口にするごとに、脳に老化が強化され、イヤでも老化が実現されてしまうのです。本書では「60代から」をワクワク生きるための「上手な脳の使い方」を伝授しています。60代からをワクワク生きたい人は、ぜひ、この本を読んでください。
定年後~50歳からの生き方、終わり方 (中公新書) | |
楠木新 | |
中央公論新社 |
目次とか著者からのメッセージはあとで紹介するとして、私が「なるほど!」と膝を打ったくだりを以下に抜粋しておく。
脳はイメージを実現するために全力で働き、全身はその指示によって動きます。つまり、脳が何をイメージするかによって、人間の行動が変わってきます(3 シニア化現象には気をつけろ)。
年寄りがグチっぽいのではありません。グチっぽい人ほど老化が進みやすいのです(4 十歳若返るのは、あきれるほど簡単だ)。
人間の大脳には140億個から160億個の神経細胞がびっしり詰まっているといわれています。この膨大な数の脳細胞は、その働き方によって、大きく2つに分類することができます。ひとつは「流動型」、もうひとつは「結晶型」です。「流動型」というのは、物事をじっくり考えるときに活動する脳細胞の働き方です。数学の問題を解くような、論理的な思考では「流動型」が使われます。(中略)ただし、流動型は20歳を過ぎると衰えるといわれています(5 感動を忘れたとき、人は惰性で生きる)。
一方、「結晶型」のほうは論理的というより直感的です。(中略)物事の受け止め方にはすべて、「結晶型」の判断が影響しています。もっと言えば、「結晶型」が判断材料にする過去の記憶データの性格によって、私たち個人の世界は成り立っているといって過言ではありません。(中略)60歳を過ぎたら「結晶型」で勝負する。このことを、ぜひ覚えておいてください(同)。
老いも若さも錯覚だというお話をしました。人間には体の衰えはありますが、心は衰え、老いるのではなく、変化していくものなのです。それまでの経験を糧に、階段のようにステージを上がっていくイメージです(7 生きるとは、新しい心のレベルへ進むこと)。
「会社」や「家」「競争」から解放されると、心の奥底に秘めてきたそれ(本当にやりたいこと)に気づくことができるのです(9 六十代は競争から解放される)。
六十代からの人生は、会社や組織のためでなく、100パーセント自分のために生きる生き方なのです。(中略)怖いものがなくなるほど、人は本当にやりたいことができます。もう誰に遠慮することもありません。心のブレーキを解き放ち、厚かましく、図々しく、自分のやりたいことを思い切りやればいいのです(10 六十代は背負った義務から自由になれる)。
六十歳を過ぎても七十歳になっても、社会的に活躍するのに十分な「保有能力」があるのです。「保有能力」とはその人に蓄えられている能力です。もうひとつの能力が「発揮能力」で、ビジネスなどの成果や成績、スポーツでは本番で実力を発揮できる力のことです(11 六十歳で燃え尽きる人、六十歳で夢を語る人)。
・六十歳は、老いの入口である
・六十代は、可能性が残されていない
・六十代になったら、もう失敗はできない
・六十代は、もう人生に疲れている
・六十代になって、異性を愛するなんてみっともない
・六十代になったら、健康に気を使いムリをすべきではない
これらは皆、六十代をつまらなくしてしまう「六十代の前提条件」です(13 間違った辛抱はやめて、もっと大胆に生きていい)。
・子どもの頃、夢中だったことは何か
・若いときにあきらめた夢は何か
・自分は何をするのが一番楽しいか・世の中のために自分が役立つことは何か
・父親、母親は、あなたが何をすることを一番喜んでくれると思うか
・あなたの強みを一番生かす道は何か
あなたのやりたいことも、きっとここにある問いの中に隠れているに違いありません(14 「今まで」を捨てると「これから」に出合える)。
他人を喜ばせたい―そう思えるのは、ひとつの能力です。私はこの力を「他喜力(たきりょく)」と言っています。(中略)誰かの喜びを願い行動するとき、六十代からどう生きたらいいかが見えてきます(同)。
一般的な六十歳の人より自分はこういうことができるということを、六つ書き出せたら、人は皆プラス思考になり、優越の錯覚が持てます(16 「強み」が分かると人は行動したくなる)。
六十歳を過ぎたら苦手なことは人にやってもらって、自分の経験値を徹底的に生かしていきましょう(17 自分に評価を与えよう)。
六十代とは、自分を誰かのために役立てる年代なのです。後輩たちに背中を見せて、何かを残すときなのです(18 誰かのために自分を生かす人はカッコいい)。
ツキとは人との出会いであり、運とはツキの連続であると書きました。自分だけを頼ろうとする人間は、ツキにも幸運にも見放されることになります(19 良い人間関係は最大の財産)。
タイムリミットが近づいてくると、それまで曖昧だった何かが明確になる―。つまり、自分が今、何をすべきかが分かってくるのです(21 死というタイムリミットが、生き方に変革を起こす)。
トラは死して皮を留(とど)め人は死して名を残す」というけれど、あなたはいったい何を遺したいか、と。人間は、後に遺すものによって、歩んできた人生の意義が分かるのです(30 あなたはこの世に何を遺のこすのか)。
弘兼流 60歳からの手ぶら人生 | |
弘兼憲史 | |
海竜社 |
以上が私が「勘どころ」と思った部分である。これでほとんどカバーできていると思うが、版元のHPから、紹介文や目次を抜粋しておく。ピンと来られた方は、ぜひ本書をお買い求めください!
日本におけるメンタルトレーニング研究・指導のパイオニアとして、日本の経営者、ビジネスマン、トップアスリートの能力開発に多数携わってきた西田文郎氏は「人生の大チャンスは60代にこそある」と説く。
「60代までは組織のため、家族のため、生活費を稼ぐための人生」かもしれないが、「60代以降は自分のための人生」になる。経験、能力は若い頃よりも備わっているし、豊かな人間関係もあるわけだから、それらを強みにして生かせばどの世代よりも自由に生きられる、というわけだ。
しかし実際は、60代になると多くの人たちがチャレンジしなくなる。その要因は自分の脳にある。「シニアだから」「もう年だから」という世の中の常識に囚われて夢や願望を描けなくなるのだ。では、どうしたらよいのか。
本書では「第2の人生」をうまく生きるための<西田流「上手な脳の使い方」>を伝授する。60代からをワクワク生きたい人は、ぜひ、この本を読んでほしい。自分らしい生き方がきっと見えてくるはずだ。
【著者からのメッセージ】
誰の人生にも、何度か大きなチャンスがあります。それをものにできる人と、ものにできない人がいます。60代は誰にでも訪れる人生最大のチャンスです。この本でお話しするように、人生のピークは60代にあります。
脳の機能について長年研究を重ねてきた私から申し上げると、60代というのは、人生で最も豊かで可能性に満ちた年代なのです。人生一番のハイライトです。60代は、競争から解放されます。そして、哲学的な考え方ができるようになります。ですから、心が純粋になり「自己実現」に向かいやすいのです。
むしろ20代~50代は、そのための準備期間だったとさえ言えます。つまり20代~50代までに蓄えた経験と知恵のすべてを使って60代からは誰にも支配されず自由に生きることができるのです。
「これまでの人生はウォーミングアップである。これからがスタートだ」今、この時がスタートラインです。20歳でも60歳でも、自己実現に年齢は関係ありません。60代を人生の絶頂期にするのか、60代を台無しにしてしまうのか。その決断は自分自身が握っています。
〈「60代のチャンスを生かす人」の「脳の使い方」のコツ〉
●シニアのイメージに囚われるのをやめる。
●組織から個人へと考え方をシフトする。
●毎日を楽しみ、新しいことにチャレンジする。
●自由で大胆な発想をしてみる。
●間違った辛抱はやめる。
●これまでの人生を振り返ってみる。
●「自分の強み」を6つ書き出してみる。
●自分を評価して、もっと好きになる。
●これまでの人生での人間関係を思い返してみる。
●特技やスキル、知識や経験などを後輩や若い人たちのために役立てる。
●「第2の人生の計画書」をつくる。
●いい齢をしてまだすねをかじっている息子や娘がいたら自立させる。
●「もう、年だ」という思いが浮かんだら「いやまだ、〇歳じゃないか」と言い換える。
●「はぁ~」「疲れた~」などの年寄り言葉が出たら、「すてき」「楽しい」などの元気になれる言葉に言い換える。 etc.
まえがき
第1章 老いは錯覚である
1 何が六十代からをつまらなくしてしまうのか
2 幸せも不幸せも自分の脳が決めている
3 シニア化現象には気をつけろ
4 十歳若返るのは、あきれるほど簡単だ
5 感動を忘れたとき、人は惰性で生きる
第2章 人生の変わり目は六十歳にやってくる
6 六十代の脳も進化する
7 生きるとは、新しい心のレベルへ進むこと
8 心が成熟するから分かる「人生の豊かさ」
9 六十代は競争から解放される
10 六十代は背負った義務から自由になれる
第3章 六十歳になったら、もう反省はいらない
11 六十歳で燃え尽きる人、六十歳で夢を語る人
12 世の中の常識に従って生きても面白くない
13 間違った辛抱はやめて、もっと大胆に生きていい
14 「今まで」を捨てると「これから」に出合える
15 誰かを喜ばせるほど、あなたの喜びが増えていく
第4章 六十代には「強み」がある
16 「強み」が分かると人は行動したくなる
17 自分に評価を与えよう
18 誰かのために自分を生かす人はカッコいい
19 良い人間関係は最大の財産
20 夫婦関係も六十歳までに整理する
第5章 死が近づくと見えてくる「本当の自分」
21 死というタイムリミットが、生き方に変革を起こす
22 感謝するほど脳は本気で動きだす
23 もし、人生が残り三日だったら?
24 死に方にもツキと運がある
25 心の決断に耳を澄まそう
第6章 六十歳からのラストチャンスの生かし
26 やりたいことを純粋に追求すればいい
27 六十代からの生き方にも計画は欠かせない
28 動機が純粋になるから気づけることがある
29 「やらない不幸」と「やった幸せ」
30 あなたはこの世に何を遺のこすのか
あとがき ―「ウソの人生」は捨てて、大胆に生きよう