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tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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国柄に応じた外国人客の需要喚起策を/産経新聞「データで見る奈良」by 秋山利隆さん

2022年04月16日 | 観光にまつわるエトセトラ
産経新聞奈良版の「データで見る奈良」(2022.4.12付)で、南都経済研究所主任研究員の秋山利隆さんが〈中国人中心のインバウンド 欧米にもアプローチを〉という記事を書いておられた。ポイントを整理すると、
※トップ写真は、吉野山の「一目千本」(吉水神社境内)で撮影(2022.4.7)
 今年の吉野山は、日本人観光客でごった返していた。コロナ前の水準?

①奈良県に宿泊する外国人観光客の比率(コロナ前の2019年)では、中国人が53.9%(全国で2位)と突出して高い。
②東アジア全域で見ると64.2%(全国で33位)と、そんなに高くない(台湾、香港、韓国が少ないから)。
③ヨーロッパは9.5%、北米は5.5%で、全国順位は高い方である。
④しかし外国人宿泊客の観光消費額単価は極端に低い。2019年までの5年間は一貫して全国で下位5位以内。2018年(11,442円)と2019年(10,033円)は最下位だった。


中国人観光客(日帰り・宿泊とも)の多いのは、県民なら誰しも感じていたことだろう。コロナ前に大仏殿や奈良公園は、中国人だらけだった。しかし宿泊してくれる外国人観光客はわずか18%で、「奈良は東大寺や奈良公園に行って、鹿にせんべいをあげて40分の観光地」と揶揄されるほど、滞在時間は短かった。

観光消費額の少ないのもよく知られていて、外国人観光客の動きを見ていると、たいてい百均でお土産を買っていた。鹿せんべいもわずか@200円だ。これでは売り上げも、たかが知れている。

かつて私がコーディネーターを務めたシンポジウムで、「外国人観光客があと500円、多く使ってくれれば、奈良県の年間観光消費は20億円増える(400万人×500円)、@500円の良い土産物を作ろう」という発言があったとき、即座に山田桂一郎さんが「そういう発想ではダメです。高価で良いものを開発し、お金持ちに買ってもらう、それを普及させるという順序でなければ」と反論されたことがあった。

そういえば以前、川上村でお客さん(日本人の通訳ガイド)を案内したところ、高価な抹茶茶碗(木製品)をたくさん予約して帰られた。「たくさん買っていただき、ありがとうございました」と申し上げると、「欧米人が日本に来て茶道の素晴らしさに気付き、抹茶茶碗を買って帰ろうとしても、セトモノだと重いし壊れやすいので敬遠されるのです。その点、木製品ならその心配がないし、きれいな木目も楽しんでいただけます」とのことだった。なるほど、目のつけどころが違うのである。

秋山さんも、「国・地域の特性を見極め、需要を取り込むことが課題解決の一策になるかもしれない」とお書きである。「プロダクトアウト」から「マーケットイン」へ。発想を変え、外国人観光客それぞれのお国柄に応じた商品を開発し、提供しなければならないのだ。秋山さん、良い「考えるヒント」をありがとうございました!

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