tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

ホテルフジタの1300年祭記念ランチ

2010年04月22日 | 平城遷都1300年祭
先日、出張の帰りに「ホテルフジタ奈良」(奈良市下三条町)の前を通りかかった。ランチタイムとあって、エントランス前にランチメニューが張り出してあった。嬉しいことに、平城遷都1300年祭にちなんで、1300円の平日限定ランチがあるではないか。
※ホテルフジタ奈良の公式ホームページ
http://www.fujita-nara.com/index.html

このホテルにはレストランが2つある。洋食は「レストラン セェールダルジャン」(1階)で、こちらの1300円メニューはランチA(メインは国産牛バラのブレゼ=ワイン煮込み)とランチB(オールビーフハンバーグと甘鯛のフライ)だった。

和食は「和食 若草」(7階)で、こちらは日替わりで、この日のメニューは「烏賊造り 鰺フライと豚カツ盛り合わせおろしポン酢」だった。いずれもボリュームのありそうなメニューだ。迷った末、ランチAをいただくことにした。


レストラン セェールダルジャン(同ホテルのホームページより拝借)

まず、前菜は大和肉鶏のスモーク。肉がしっかりしているので、とても味わい深い燻製に仕上がっている。「本日のスープ」は、コーンポタージュだった。





隣のテーブルに、このホテルに泊まっていると思われる上品な老夫婦が座られた。「朝から外へ出てきて、簡単に食事を済ませたから、何か軽いものとワインを」という声が聞こえてきた。「大遣唐使展」でも見てこられたのだろうか。

「大遣唐使展」は、これからジワジワと人気を集めるだろう。吉備大臣入唐絵巻(ボストン美術館蔵)や美しい一木造りの十一面観音立像(京都・安祥寺蔵)など、見どころが満載である。
http://kentoushi.exh.jp/



お待ちかね、メイン料理の国産牛バラ肉のブレゼ(赤ワイン煮込み)が来た。牛肉をじっくり豊潤に煮込んであり、とても美味しい。ステーキのような単純な料理と違って、煮込み料理は時間も手間もかかる(しかもあまり高い値段はつけられない)が、名手の手にかかれば、こんな逸品に仕上がるのだ。



最後はコーヒーと、奈良漬入りのパウンドケーキが出てきた。奈良漬の味はくどくなく、すっきり上品なケーキだった。

先日(4/18)は「大和の昼膳」を紹介したが、お祭りを記念してこんなリーズナブルなランチメニューが続々と登場するのは、とても有り難い。1300年祭の平城宮跡会場内にはフードコートがあり、お弁当も販売しているが、街なかでゆっくりこんな食事をとるのも良いものだ。
※大和の昼膳(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/5c267d941ccf54f331d552894c638b08
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

同時進行!平城遷都1300年(19)1300年祭≠平城宮跡会場

2010年04月20日 | 平城遷都1300年祭
平城遷都1300年祭の会場の1つである平城宮跡会場のオープンを4/24(土)に控え、次々に内覧会が催されている。私も縁あって、4/16(金)に行われた報道・旅行関係者向け内覧会に参加することができた。この日の様子は、同日の朝日新聞夕刊・1面トップで報じられた。タイトルは《遷都祭 来客ごまんと? 収容力は難題 ピーク時4.5万人試算》だった。

ジャーナリストが物事を批判的に見るのは大切なことではあるが、地元民である私の感覚とはズレがあるので、少しこの記事に茶々を入れてみたい。
※当ブログ記事の末尾に、最新情報を「追記」したので、ご参考に

《従来の神社仏閣頼みの観光客が伸び悩む奈良県。公式マスコット「せんとくん」などによって知名度がアップした平城遷都1300年祭の集客にかける期待は大きいが、パビリオンの受け入れ能力など課題は残されたままだ》。奈良の観光は確かに伸び悩んでいるが、それは「神社仏閣頼み」が理由なのではない。

それどころか、09年に世界各地の美術館で開かれた特別展の1日当たりの来場者数調査で、まさに「奈良の神社仏閣」に関する展示会が、ワールドランキング1位から3位を独占したのだ。それは、

1位 国宝 阿修羅展 東京国立博物館(阿修羅像は、興福寺の仏さまだ)
2位 正倉院展 奈良国立博物館(正倉院は、東大寺の正倉=宝物庫)
3位 皇室の名宝―日本美の華 東京国立博物館[正倉院宝物&春日権現絵巻など](春日権現絵巻は、春日大社に奉納するために描かれた絵巻である)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/366821162e2ca9e2ab8aabaa486eefee

《県や奈良市などでつくる平城遷都1300年記念事業協会は、平城宮跡会場の入場者数をピーク時の黄金週間や秋の紅葉シーズンで1日約4万5千人とみている。だが、平城京歴史館の収容能力は1日最大約3500人、平城京なりきり体験館の「天平衣装の着用体験」は同約400人、「発掘疑似体験」は同約370人にすぎない》。

今回の祭典は、パビリオンでお客を受け入れることを想定した祭典ではない。来場者すべてをパビリオンで受け入れるとしたら、いったいどれほどの数の箱ものが必要になるのか。奈良公園に来るお客を、すべて国立博物館や東大寺や興福寺の伽藍で収容するためには…、というのと同様の乱暴な話である。

朱雀門から、このたび復原された大極殿(=トップ写真)までは約1kmある。平城宮(今でいう宮城・皇居)だけでも、約130haあるのだ。これは東京デイズニーランドとディズニーシーを合わせた面積(約100ha)より広いのである。130haという広大なスペースの「収容能力」に思い馳せてほしい。

そのため、4/24~11/7まで、平城宮跡探訪ツアーが行われる。ガイド付きツアーは1.5時間コースと2.5時間コースがあり、当日申し込みもできる。専用端末によるセルフガイドシステムもある。平城宮跡では、ぜひ歩いて巡り、そのスケール感を味わっていただきたいと思う。75歳以上のお年寄りや障害者、3歳以下の子どもさん向けには、電動トラムやカートも用意されている。「古代行事の再現」や「まほろばステージ」など、気軽に楽しめる催しも多い。
http://www.1300.jp/event/detail/kyuuseki/keve100326.html

1300年祭の運営の不備などは、来場者の反応などを見ながら、今後改善されていくことだろう。

《パビリオンがこの二つしかないのは、企業の寄付集めが難航し、総事業費を350億円から100億円に圧縮したためだ。当初は9棟の建設が計画された。荒井正吾知事は「奈良県には1300年祭以外にも見どころがたくさんあるので、施設はあまりない方がいい」と意に介さない。平城宮跡会場を、奈良の歴史・文化に触れる「玄関口」と位置づける》。

パビリオンは2つではない。平城宮跡資料館も遺構展示館もある。「新設」されたのが2つというだけだ。しかも、その理由は《企業の寄付集めが難航し、総事業費を350億円から100億円に圧縮したため》ではなく、文化庁の反対が主たる理由である。朝日新聞奈良版(07.3.2付)に《当初計画では、大極殿から約800m南の朱雀門までメーンストリートを設け、両側に奈良時代の建物をイメージした外観を持つパビリオンを建設。しかし、文化庁は「当時そのような大きな建物はなく、来場者の誤解を招く」などと反対》とある。
※同時進行!平城遷都1300年(8)(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/1051e96909c74e7f374e36456c6814b7

そもそも、箱ものに頼って失敗したイベントは、枚挙にいとまがない。奈良県は、箱もの中心だったイベント「なら・シルクロード博」(1988年)の失敗を覚えているのだろう。9棟ものパビリオンを作っても、祭典が終わればゴミとがれきの9つの山を築くだけである。「平城遷都1300年祭の会場≠平城宮跡会場」だ。宮跡は祭典の象徴であり、数ある会場の一つである。近鉄電車からも眺められるのだ。当初から、祭典の会場は奈良県全域とされてきた。

《マイカーでの来場による交通渋滞、ホテル・旅館不足も悩みの種だ。奈良市では観光シーズンに市中心部へ1日7万台近い車が流入する。協会は、ピーク時の来場者4万5千人(1日あたり)のうち、マイカー客が1万人を超すと予想。その対策として、行事が集中する春、夏、秋には、平城宮跡会場から約5キロ離れた郊外に3カ所の駐車場(計2千台)を設営し、会場とシャトルバスで結ぶ予定だ》。

パーク&バスライドの実現は、今後の奈良観光に必須の要件である。1300年祭では、「リアルタイム駐車場情報」で、郊外駐車場などの空き状況を知ることができる。1300年祭をテストケースとして、パーク&バスライドはぜひ実現させてほしいものである。新聞は声を大にして、「マイカー自粛」を呼びかけてほしい。
http://www.1300.jp/traffic/parking.php

《県によると、大手旅行会社3社を通じた県内宿泊施設の4~6月の予約は約4万2千人で、前年同期比5割増。市中心部の大手施設は5月末までほぼ満室状態だという。ホテル日航奈良(奈良市)の担当者は「平城宮跡会場がオープンする4月24日前後は半年以上前から予約で満室なのに、まだ問い合わせがやまない」と悲鳴を上げる》。昨年は新型インフルエンザで修学旅行生が激減したから、5割増という数字になったのである。ホテルが「嬉しい悲鳴」を上げるのは、当然だろう。

《奈良観光は、大阪や京都のホテルなどに宿泊し、日帰りで訪れるのが定番になっている。このためか、奈良県内の2008年度のホテル・旅館の客室数(計9436室)は全国最下位。県や市は1300年祭を見据え、市中心部へのホテル誘致を進めたが、不況の影響で実現しなかった》。奈良では観光ピーク時の春秋とボトム時の夏冬の差がありすぎるので、リスクを恐れて宿泊施設の新規開業が進まないのである。企業数が少ないのでホテルの宴会需要が見込めない、という背景もある。

《関西社会経済研究所(大阪市)が試算した1300年祭の経済波及効果は08~11年で、奈良県988億円、大阪府324億円、兵庫県95億円、京都府74億円。武者(むしゃ)加苗研究員は「奈良にもっと宿泊施設があれば経済効果はアップした」と語る》。犬が西向きゃ尾は東、「宿泊施設があれば経済効果はアップした」は、理の当然。ここ10年で、主に修学旅行生向けの旅館の廃業が相次いだ。奈良は「市中心部の大手施設」に頼るのではなく、民宿やB&B、宿坊のように、観光ピーク時の受け皿となるような小回りの利く宿泊施設をもっと増やすべきである。

たまたま朝日新聞を俎上に載せたが、同紙に限らず《メーン会場 住民公開 開場から400人が列》(4/19付 読売新聞 4/19付)、《奈良の平城遷都1300年祭 メーン会場、収容力に不安も 地元住民向け内覧会》(同 産経新聞)、《大極殿1時間待ち 踏切渡り地元2万8000人》(同 奈良日日新聞)と、よく似た見出しがずらりと並んでいて、げんなりする。その点、奈良新聞のコラム「國原譜(くにはらふ)」だけが《1300年祭は平城宮跡会場だけではない。今年の元日からスタートしているのであり、県内各地での関連イベントも含め、全国・海外から(奈良県に)訪れるすべてが来場者だ》(筆者は「北」氏)としているのには、全く同感である。

すべては「平城遷都1300年祭の会場は、平城宮跡会場である」という誤解から始まっている。だから「すべての来場者を2つの新設パビリオンで受け入れるためには…」という風に誤った論理が展開していく。

1300年祭は、同時多発・県下広域分散型の1年間の長きにわたる祭典である。「祈りの回廊~奈良大和路 秘宝・秘仏特別開帳」などは、県下の約50か所で秘仏などを拝観でき、人気を集めている。

「1300年祭の奈良に訪れよう」という向きは、(通常の観光と同じく)ゴールデンウィークなどの混雑ピークを避け、ゆったりとしたスケジュールで県下各地のお好みの見どころを訪ねていただきたい。奈良はのんびり歩くに限る。ガラスケースに入っていない阿修羅像などが間近で拝める興福寺国宝館(このたび新装された・600円)などは、穴場である。待ち時間も短いし、「大遣唐使展」の奈良国立博物館も近い。国宝館は近鉄奈良駅から徒歩5分なので、ぜひ電車で訪れていただきますように。

※追記(4/22)
4/21、平城遷都記念事業協会は、4/24~5/9までの「平城京歴史館」の開館延長などの措置を発表した。
http://www.1300.jp/about/news/topics/2010/topi100423.html

奈良新聞(4/22付)によると《協会は平城京歴史館に関し、同館北側で午前の部(午前9時~午後2時)と午後(午後2時~同4時20分)に分けて入場時間指定の整理券を配布。配布時間と枚数は、午前8時50分に2250枚、午後1時に1350枚を配る》。
http://www.1300.jp/event/kyuuseki/topics/2010-1/kyuu100326.html

《さらに、開館時間を午後5時半から同7時半に延長。同時間帯については午後4時に「夕暮れ特別拝観」ととして900人分の整理券を配布する計画》。シャトルバスの増便や、徒歩で近鉄西大寺駅に帰る人のための臨時照明も設置するという。
http://www.1300.jp/about/news/press/2010/100421-2.html

《「なりきり体験館」でも、疑似発掘体験、天平衣装体験など、いずれも午前9時と午後1時に時間指定チケットを販売。団体予約を除いて、当日の個人申し込みに応じる》。
コメント (16)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大和の昼膳は4月27日まで!

2010年04月18日 | 平城遷都1300年祭
「大和の昼膳(やまとのひるぜん)」をご存じだろうか。ひるぜん(蒜山)は岡山県、というツッコミはともかく、奈良県産の食材を使った奈良市内ホテルのランチ企画である。

企画スタート時の新聞(読売新聞奈良版 2/6付)には、《県産食材ランチ2000円 きょうから奈良6ホテル》《ホテル日航奈良や春日ホテルなど奈良市内の6ホテルは6日から、県産食材を使ったランチを2000円均一で提供する「奈良はうまいものばかり 大和の昼膳(ひるぜん)」を始める。平城遷都1300年祭を盛り上げようと、昨年秋に続く第2弾の合同企画で、4月27日まで》。

《ほかに参画するのは、▽ホテルアジール・奈良▽ホテルサンルート奈良▽奈良パークホテル▽奈良ロイヤルホテル。大和肉鶏はバターみそ焼きやグラタン、古代のチーズ・蘇(そ)と重ねた前菜などにアレンジ。大和まなや大和ふとねぎなどの大和野菜や吉野葛、三輪そうめんなども使い、各ホテルが趣向を凝らしたメニューにした》。

《前回の利用客は延べ5566人で、うち133人が6ホテルすべてを回った。奈良ロイヤルホテルの平山明弘総支配人は「前回は予想以上の反響があった。2月と3月は観光のオフシーズンだが、業界がスクラムを組んで、実力を試したい」と意気込んでいる。6ホテルで大和の昼膳を食べた利用客には、2000円分の共通食事券がプレゼントされる。また、スタンプラリーに参加して応募すれば、抽選で大和肉鶏の薫製や宿泊券などが当たる。問い合わせは奈良ロイヤルホテル(0742・34・1131)》。


先附(写真はすべて、ホテルサンルート奈良「日本料理 おばな」の大和の昼膳)

これは早く食べないと、と先日「ホテルサンルート奈良」地下の「日本料理 おばな」に駆け込んだ。静かでとてもきれいなお店で、従業員さんのマナーも良い。



いただいた昼膳は「みやび御膳」という名前がついていた。献立表には

・先附 筍 茗荷 生姜 ゼリー寄せ 若布酢 木の芽
・重箱 口取り 水雲(もずく) 長芋羹 玉子かすてら わさび寿司桜葉包み 粟麩田楽 鰆柚庵焼き
・焼物 茄子田楽
・強肴(しいざかな) 胡麻豆腐のグラタン 大和肉鶏 焼き葱 柚餅 松の実
・炊合せ 湯葉真丈 絹さや 椎茸 吉野餡掛け 山葵(わさび)
・御飯 白ごはん
・香の物 赤出汁汁
・水物 葛プリン 黒蜜



そこにデミタスコーヒーまでついて2000円、という破格の安さである。このお店は季節の食材がよく吟味され、美味しいと評判であるが、私は「いつも何かサプライズがある」というところに感心している。今回もメイン料理の「胡麻豆腐のグラタン」などは、「ふぅん、こんな食べ方があったのか」と驚いた。しかも奈良をイメージさせる逸品に仕上がっている。



同ホテルは猿沢池の畔にあり、興福寺境内まで徒歩3分という立地も有り難い。奈良国立博物館の「大遣唐使展」のおかげか、この日のランチタイムには、たくさんのお客さんが入られていた。 

この企画は4/27(火)までなので、ぜひ急いでお訪ねいただきたい。次の企画も、楽しみである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中国人は結婚写真がお好き

2010年04月16日 | 観光にまつわるエトセトラ
昨日、当ブログ記事で、ウェディングドレスで写真を撮らせている中国人カップルのことを紹介したところ、知人のYさんからお電話をいただいた。何でも、中国のお金持ちの間で、大枚をはたいて日本に来て、結婚写真を撮るのがブームになっている、との話だった。静岡で、富士山を背景に同様の写真を撮る例もあり、Yさんは現在、周辺情報を収集中である。
※奈良はこれから八重桜(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/ca216369a7f561359bf2aaef015ebea0

早速私も、昨夜ネットで情報を探してみたところ、中国ニュース通信社「Record China」のサイトに、こんな話が出ていた。ニュース源は「中文導報」の記事である。見出しは《日本で「結婚写真」を撮る富裕層の若者が急増中 「日本庭園で和服」が人気―華字紙2010/02/20》。
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=39862



《2010年2月18日、華字紙・中文導報は、中国・上海から個人旅行で「結婚写真」の撮影をしに来日した新婚カップルを紹介した。中国人の結婚には「結婚写真」が欠かせない。何パターンもの衣装に着替え、モデル顔負けのポーズで決める。そして、これを写真集にしたり、巨大に引き伸ばして額におさめ、新居に飾ったりするのが一般的だ》。

《今回来日した上海在住の美美(メイメイ)さん(26)は昨年1月に結婚。だが、多忙のため、まだ肝心の「結婚写真」を撮っていなかった。そんな時、ネット上で偶然見つけたのが、日本の写真専門店が企画した「Love in Japan 日本・東京ウェディングドレスの旅」。旧古河庭園や六義園、埼玉の川口グリーンセンターなどで「結婚写真」を撮るというものだ》。

《写真代など全て込みで、4泊5日で8000元(約10万7000円)。上海では結婚写真を撮るだけで6000元(約8万円)はかかる。美美さんは夫の張力(ジャン・リー)とともに上海支店を訪れ、早速申し込んだ。ツアーを終えた美美さんは、「日本庭園で和服を着て撮った」と満足げ。張さんも「写真を何枚撮って、どんな衣装を着るのか、費用も含めて全て事前に契約書に明記されるので安心」と話していた》。



また「Searchina(サーチナ)」というサイトには《中国人も日本で結婚写真、中国人をターゲットにする写真館も【社会ニュース】 2010/02/23(火) 18:48》という話が出ていた。

《日本政府は中国からの個人旅行者に対する観光ビザの発給を去年の7月から解禁した。このことは、日本政府の国内消費促進策や、観光庁の外国人旅行者1000万人実現計画と大きな関係がある。中国人消費者をターゲットにしているのは日本国内の大小の旅行会社だけではなく、旅行に関わる多くの業界でも国際的なサービスを展開している》。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0223&f=national_0223_042.shtml

《埼玉県川口市の写真映像の専門店、「歓喜(ホァンシー)」では、最近日本で休暇を過ごす中国の若者をターゲットにしている。日本旅行の間に、日本の特色に溢れた結婚写真を撮影するというアイデアは、なかなか新鮮である》。
株式会社ホァンシー(HuanXi 歓喜)のサイト
http://www.cm-bridal.com/



《撮影に当たっては、プロのカメラマン、スタイリスト、ヘアメイクアーティストなど、すべてのサービスが提供される。中国国内の写真館に比べて、日本のスタッフの仕事はたいへん細やかで周到である。撮影をどのように行うか、何枚撮影するか、何着の服を着るか、どのようなメイクをするかなど、すべて事前に書類で契約するので、余計な費用がかかることもなく、中国語を話せるスタッフが対応するので、安心して撮影することができる》。
株式会社ホァンシーの中国語サイト
http://www.huan-xi.net/xw.asp

《結婚写真の撮影は、トータルで約10万円程度である。新鮮なデザインのドレスもいろいろあるが、正式な和服を着て日本庭園で純日本風の気分を味わうのも、若いカップルにとって忘れがたい記念になることだろう。(情報提供:東京流行通訊)》。

一方、日本のウェディング大手は、結婚写真を手がける中国の会社と提携し、リゾート地での挙式事業をスタートさせた。こちらは日経産業新聞(09.9.3付)の記事である。《ワタベ、富裕層を取り込み、中国人向け挙式を展開、個人ビザ解禁受け》。

《ワタベウェディングは2日、婚礼写真の撮影事業を展開する重慶金夫人実業(重慶市)と提携し、中国人向けのリゾートでの挙式事業を始めると発表した。沖縄や北海道のチャペルで挙式サービスを提供する。中国人の個人ビザが7月に解禁されたことに対応し、リゾート挙式需要が高まっている中国人の富裕層を取り込む》。

《重慶金夫人実業は中国に330店舗を持つ。まず月内に沖縄での挙式と結婚写真の撮影をセットにした挙式プランを発売。料金はワタベが提供する日本人向けサービスと同程度になりそう。中国人は挙式よりも婚礼を記念した写真撮影を重視する傾向がある。リゾート挙式は写真の背景が映えるため、富裕層を中心とした中国人の潜在需要が高いと分析。今後、国内のチャペルなどに中国語や英語が話せる専任社員を増員するなどして中国人カップルの受け入れ態勢を整える》。



《2009年度は550組程度の挙式催行を目指す。北海道やバリ、グアムなどにも婚礼プランを拡大する方針。年間婚礼件数が約800万組とも言われる中国市場の取り込みを目指す》。

個人ビザ解禁で、中国のお金持ちが、個人旅行で日本に来る機会が多くなったのだ。もともと中国人は結婚写真を重視するので、若者たちが結婚の前後に日本に来たり、または結婚式そのものを日本で挙げ、写真を撮って持ち帰る。日本は機材も撮影スタッフも秀でているので、安心できる。日本の若者の間でも、最近は式や披露宴より、思い出が長く残るウェディング写真を重視する風潮が出てきているが、中国はその先を行っていたのだ。

智林堂さんのブログ情報によると、すでに08年4月に撮影シーンが目撃されているが、これは個人ビザ解禁(09年7月)を当て込んで、結婚写真の会社がモデルを使ってPR用写真を撮っていたのだろう。いずれにしても、背景画像として、奈良が中国に紹介されることは、とても有り難いことである。奈良公園以外にも、私のお薦めスポットをぜひ紹介したいところだ。
http://chirindo.exblog.jp/7636564/

たまたま見かけた1つのシーンから、思いがけない情報が芋づる式に出てきた。智林堂さん、Yさん、どうも有り難うございました。

※当記事の画像は、すべて株式会社ホァンシーのホームページより拝借。
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Topic 奈良はこれから八重桜

2010年04月15日 | お知らせ
奈良は春先から天候不順が続いている。今日(4/15)も、とても寒い朝を迎えた。最近は気温の低い日が多かったので、ソメイヨシノもまだ残っているが、あをによし奈良の都といえば、やはり八重桜である。

東大寺知足院の「ナラノヤエザクラ」を接ぎ木した登大路駐車場南(県庁東)の桜は、まだつぼみが固いが、奈良公園周辺では、いろんな種類の八重桜が咲き始めている。昨日(4/14)、県庁へ行く途中で何枚かカメラに収めてきた。

トップ写真は奈良地裁の八重桜(種類は「松月」または「一葉」か)。まだ3分咲き程度だが、たくさんの木があるので、これから咲き出すのが楽しみだ。



こちらは県庁裏(北側)の八重桜(種類は「関山」)。濃いピンクの花が、通行人の目を楽しませてくれる。



帰り道、県庁前(興福寺境内=奈良公園の北端)に出ると、桜を背景に、謎の中国人新婚カップルが撮影会の真っ最中だった。「おお、智林堂さんのブログに出ていたのは、これだったのか」と気がついた。毎年この時期、中国人カップルが奈良公園で撮影をしているという話なのだ(モデルにしてはぽっちゃりしているので、素人さんか)。
http://chirindo.exblog.jp/10932539/
http://chirindo.exblog.jp/7636564/





奈良公園周辺にはたくさんの八重桜があり、これから順番に咲いていくので、皆さんぜひお楽しみに。私の一押しは浮見堂西側の桜だが、果たしてもう咲いているのだろうか。
コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする