財団法人南都経済センターが発行する「センター月報」(2010年3月号)の「ビジネス情報」頁に、株式会社植嶋と、同社のオリジナルブランド「奈良樂(ならしょうがく)」が紹介された。タイトルは《売れる「商品づくり」と「売場」づくりで活路を拓く》、執筆されたのは同センター主席研究員の井阪英夫氏だ。
井阪氏からは、掲載前から「植嶋という元気な会社があるよ」と聞かされていた。私は同社の「極豆(ごくまめ)」という豆菓子が気に入っていて、「夢しるべ風しるべ」(奈良国立博物館前)内の「大和百菜」などで買い求めては、ビールのつまみにしていた。
http://www.yume-kaze.com/site/shoplist/yamato.html
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/d9/8f1558733e68f49fa3a5c187826f94b9.jpg)
株式会社植嶋はいわば、工場を持たないメーカーである。同社HPには《奈良県生駒郡斑鳩町にある「お菓子の商社」です。楽しい売場づくりの企画・提案から売場サポートまで、きめ細かなサポートを行ないます》とある。創業は1927年(昭和2年)というから、80年以上の歴史誇る。
http://www.ueshima-net.co.jp/
同社は昨年、「奈良樂」という新ブランドを立ち上げた。HPには《古都奈良でお菓子に関わって80年。沢山の奈良人、そして奈良の豊かな食材との出会いが私たちを奮起させてくれました。そして徹底的にこだわりたかった。「日々の暮らしに楽しい予感を…」そんな思いをコンセプトに生まれたのが「奈良樂」なのです》《ほっとする心ゆるやかなひと時 ふと思い出す懐かしいあの頃 変わらぬ真心に新しい息吹を吹きこんで皆様にお届けしたい 「ずっとこれからも日本のお・や・つ」》 とある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/bf/e97df6b471a49bd89cb176d1d3476d00.jpg)
「奈良樂」ブランドのお菓子の例としては、《奈良県宇陀産の素晴らしい黒豆が、素朴ながら深い味わいの豆菓子になりました。万葉集に詠われる「吉野離宮」があったという奈良・吉野宮滝で造られている梅谷醸造の天然醸造の醤油との出会いからは 「奈良祥楽のみたらし団子」が生まれました》。
《奈良県内のこだわりの菓子職人とのコラボから生まれたのが「大和のお菓子」。その名のとおり素朴で懐かしい味が自慢です。そして、お菓子が大好きな私たちが全国に足を運び選んだ 愛され親しまれ続けてきたお菓子たち。それが「日本のおやつ わくわくセレクション」アイテムはなんと現在130種類》。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/d7/d5185842248ef0b032c2b5f96a39caa2.jpg)
法隆寺店の店内
「奈良樂」には、シルバー(あられ、かりんとうなどの昔菓子)、ゴールド(県産醤油を使った団子や県産米粉ロールケーキなどの高級品)、グリーン(ソイパウンドなど特に健康面に留意した菓子)の3つのレベルがある。
店名を「奈良樂」とした直営店も、2店舗ある。1号店は法隆寺店(JR法隆寺駅前)、2号店は近鉄なんば店(近鉄「大阪難波」駅構内・西口)にある。トップ写真は1号店の外観だ。小さいながら明るくて、とても買いやすいお店である。女性従業員さんたちが、元気よく働いている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/36/44fbb0602c658d6254c56d3034727940.jpg)
法隆寺店のご当地ロール
私は辛党なので、やはり豆菓子などに目が行く。素焼きの宇陀産黒豆は、とても香ばしかった。最近、黒豆にはダイエット効果があるといわれ出したから、有り難味も増す。
http://www.nara-shogaku.jp/waku_udamame.html
家で使っている「キヨエ」(トランス脂肪酸ゼロ・オリーブジュース100%のオリーブオイル)で味付けした、「オリーブジュースな あ・ら・れ」というおかきも美味しかった。
http://www.nara-shogaku.jp/arare.html
あとで同社のHPを見ると、なんと、当ブログ読者のおぜんさん(料理研究家の白水智子さん)が「食感サクサク、お味も軽やか、でもコクがありついつい手が出るあられです。お腹にも重くないのでおやつに、最適。子供からお年寄りまで美味しくいただけるあられです。軽い油なので、封を開けても、油っぽくなりにくいです。さっぱりしているのがうれしいです」とコメントされていた。
※参考:おぜんさんのブログ「膳-sai」
http://blog.goo.ne.jp/ozen1_2006
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/88/434be78ed6e47e70cfd74e77ce860c91.jpg)
オリーブジュースな あ・ら・れ(同社HPより拝借)
さしずめ私なら「コアラの国のオリーブオイルが、瑞穂(みずほ)の国でお米と出会いました。パリパリぽりぽり、ビールにも白ワインにもぴったり、お茶請けに最適!」というところか。
「ソイパウンド」という大豆を使ったパウンドケーキも、今回初めていただいたが、しっとりふっくら、しかも甘すぎない。これなら男性にもウケるだろう。以前「奈良のかすていら」を奈良漬屋さんで買って帰ったことがあるが、味にもパッケージにも、インパクトがあった。
http://www.nara-shogaku.jp/kasutera.html
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/95/0a34fdc6cf75f527323a614b208f2eaf.jpg)
ソイパウンドなど、美味しそうな焼き菓子が並ぶ
同社代表取締役・植嶋修治氏は、雑誌「naranto(ナラント)」09年夏号の「I'm Leader」頁にも登場された。《「卸売業はもともと、変化対応型であるべきなんです。得意先の構成比は5年スパンで変化してしまう。今後は2年3年と、そのスピードが早まると思われます(中略) 私たちが目指すのは『他にはない光る存在』として認められるオンリーワン企業なのです」》。
《「全国を駆け回り、東京や大阪で行われるお菓子の展示会へもこまめに足を運んで魅力ある商品を見出し、商品開発を念頭に交渉を続けました。地元メーカーとの企画会議を重ね、九州フェアなどのイベントも試みました。国産にこだわり、生産者の顔が見える販売スタイルで安心安全を印象づけ、価値を向上させたいという思いもありましたね」 地元・奈良に目を向けたのは、そうした一連の流れから。改革を決意してはじめて、奈良の食材のすごさを知った》。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/81/484382ff3d056000e39262734e9ab68a.jpg)
冒頭で紹介した「ビジネス情報」(センター月報)は、《価格競争に飲み込まれたら将来はない。今後も自社開発で高付加価値商品のラインナップを増やすとともに、それらを活用した売れる売り場をスーパーなどに企画提案していく》という植嶋氏の言葉で締めくくられている。
奈良の優れた食材や、奈良の伝統イメージを巧みに取り入れ、独自商品で幅広い顧客層を開拓する同社のパワーには、恐れ入る。奈良を前面に打ち出した「奈良樂」をメインブランドに、ぜひ全国に「奈良にうまいものあり」をアピールしていただきたいものである。
井阪氏からは、掲載前から「植嶋という元気な会社があるよ」と聞かされていた。私は同社の「極豆(ごくまめ)」という豆菓子が気に入っていて、「夢しるべ風しるべ」(奈良国立博物館前)内の「大和百菜」などで買い求めては、ビールのつまみにしていた。
http://www.yume-kaze.com/site/shoplist/yamato.html
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/d9/8f1558733e68f49fa3a5c187826f94b9.jpg)
株式会社植嶋はいわば、工場を持たないメーカーである。同社HPには《奈良県生駒郡斑鳩町にある「お菓子の商社」です。楽しい売場づくりの企画・提案から売場サポートまで、きめ細かなサポートを行ないます》とある。創業は1927年(昭和2年)というから、80年以上の歴史誇る。
http://www.ueshima-net.co.jp/
同社は昨年、「奈良樂」という新ブランドを立ち上げた。HPには《古都奈良でお菓子に関わって80年。沢山の奈良人、そして奈良の豊かな食材との出会いが私たちを奮起させてくれました。そして徹底的にこだわりたかった。「日々の暮らしに楽しい予感を…」そんな思いをコンセプトに生まれたのが「奈良樂」なのです》《ほっとする心ゆるやかなひと時 ふと思い出す懐かしいあの頃 変わらぬ真心に新しい息吹を吹きこんで皆様にお届けしたい 「ずっとこれからも日本のお・や・つ」》 とある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/bf/e97df6b471a49bd89cb176d1d3476d00.jpg)
「奈良樂」ブランドのお菓子の例としては、《奈良県宇陀産の素晴らしい黒豆が、素朴ながら深い味わいの豆菓子になりました。万葉集に詠われる「吉野離宮」があったという奈良・吉野宮滝で造られている梅谷醸造の天然醸造の醤油との出会いからは 「奈良祥楽のみたらし団子」が生まれました》。
《奈良県内のこだわりの菓子職人とのコラボから生まれたのが「大和のお菓子」。その名のとおり素朴で懐かしい味が自慢です。そして、お菓子が大好きな私たちが全国に足を運び選んだ 愛され親しまれ続けてきたお菓子たち。それが「日本のおやつ わくわくセレクション」アイテムはなんと現在130種類》。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/d7/d5185842248ef0b032c2b5f96a39caa2.jpg)
法隆寺店の店内
「奈良樂」には、シルバー(あられ、かりんとうなどの昔菓子)、ゴールド(県産醤油を使った団子や県産米粉ロールケーキなどの高級品)、グリーン(ソイパウンドなど特に健康面に留意した菓子)の3つのレベルがある。
店名を「奈良樂」とした直営店も、2店舗ある。1号店は法隆寺店(JR法隆寺駅前)、2号店は近鉄なんば店(近鉄「大阪難波」駅構内・西口)にある。トップ写真は1号店の外観だ。小さいながら明るくて、とても買いやすいお店である。女性従業員さんたちが、元気よく働いている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/36/44fbb0602c658d6254c56d3034727940.jpg)
法隆寺店のご当地ロール
私は辛党なので、やはり豆菓子などに目が行く。素焼きの宇陀産黒豆は、とても香ばしかった。最近、黒豆にはダイエット効果があるといわれ出したから、有り難味も増す。
http://www.nara-shogaku.jp/waku_udamame.html
家で使っている「キヨエ」(トランス脂肪酸ゼロ・オリーブジュース100%のオリーブオイル)で味付けした、「オリーブジュースな あ・ら・れ」というおかきも美味しかった。
http://www.nara-shogaku.jp/arare.html
あとで同社のHPを見ると、なんと、当ブログ読者のおぜんさん(料理研究家の白水智子さん)が「食感サクサク、お味も軽やか、でもコクがありついつい手が出るあられです。お腹にも重くないのでおやつに、最適。子供からお年寄りまで美味しくいただけるあられです。軽い油なので、封を開けても、油っぽくなりにくいです。さっぱりしているのがうれしいです」とコメントされていた。
※参考:おぜんさんのブログ「膳-sai」
http://blog.goo.ne.jp/ozen1_2006
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/88/434be78ed6e47e70cfd74e77ce860c91.jpg)
オリーブジュースな あ・ら・れ(同社HPより拝借)
さしずめ私なら「コアラの国のオリーブオイルが、瑞穂(みずほ)の国でお米と出会いました。パリパリぽりぽり、ビールにも白ワインにもぴったり、お茶請けに最適!」というところか。
「ソイパウンド」という大豆を使ったパウンドケーキも、今回初めていただいたが、しっとりふっくら、しかも甘すぎない。これなら男性にもウケるだろう。以前「奈良のかすていら」を奈良漬屋さんで買って帰ったことがあるが、味にもパッケージにも、インパクトがあった。
http://www.nara-shogaku.jp/kasutera.html
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/95/0a34fdc6cf75f527323a614b208f2eaf.jpg)
ソイパウンドなど、美味しそうな焼き菓子が並ぶ
同社代表取締役・植嶋修治氏は、雑誌「naranto(ナラント)」09年夏号の「I'm Leader」頁にも登場された。《「卸売業はもともと、変化対応型であるべきなんです。得意先の構成比は5年スパンで変化してしまう。今後は2年3年と、そのスピードが早まると思われます(中略) 私たちが目指すのは『他にはない光る存在』として認められるオンリーワン企業なのです」》。
《「全国を駆け回り、東京や大阪で行われるお菓子の展示会へもこまめに足を運んで魅力ある商品を見出し、商品開発を念頭に交渉を続けました。地元メーカーとの企画会議を重ね、九州フェアなどのイベントも試みました。国産にこだわり、生産者の顔が見える販売スタイルで安心安全を印象づけ、価値を向上させたいという思いもありましたね」 地元・奈良に目を向けたのは、そうした一連の流れから。改革を決意してはじめて、奈良の食材のすごさを知った》。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/81/484382ff3d056000e39262734e9ab68a.jpg)
冒頭で紹介した「ビジネス情報」(センター月報)は、《価格競争に飲み込まれたら将来はない。今後も自社開発で高付加価値商品のラインナップを増やすとともに、それらを活用した売れる売り場をスーパーなどに企画提案していく》という植嶋氏の言葉で締めくくられている。
奈良の優れた食材や、奈良の伝統イメージを巧みに取り入れ、独自商品で幅広い顧客層を開拓する同社のパワーには、恐れ入る。奈良を前面に打ち出した「奈良樂」をメインブランドに、ぜひ全国に「奈良にうまいものあり」をアピールしていただきたいものである。