NHKスペシャル「戦争と平和の150年」(4月4日)、「アジアの”一等国”」(4月5日)に関しては、視聴者から異論、反論が噴出している。
まず、指摘しなければならないのが、民放も顔負けのセンセーショナルな手法。「人間動物園」と題した写真が、日本の台湾統治を象徴する2枚の写真のうちの1枚だとして、おどろおどろしく採り上げられる。
バックの音楽、効果音も明らかに意図的だ。公民学校で児童が水泳訓練をしている写真でも、暗いメロディを付ければ、暗黒の日本統治時代の証拠写真と変わってしまう。
こういうメディア側の情報操作については、ぜひ、専門家、立教大学・服部孝章教授あたりに検証していただきたいものだ。
さらに創価学会・公明党の影を指摘する人もいる。私の知人は、平和学者のヨハン・ガルトゥング教授が「戦争と平和の150年」でインタビューされていることについて、疑問を呈している。もはや過去の人で、国際的な影響力もない人を何故出演させたのか。ガルトゥング教授が創価大学客員教授を勤め、池田大作との「対話」本※を出していることと、果たして無関係なのかという疑問だ。
※ http://www.amazon.co.jp/%E5%AF%BE%E8%AB%87-%E5%B9%B3%E5%92%8C%E3%81%B8%E3%81%AE%E9%81%B8%E6%8A%9E-%E6%B1%A0%E7%94%B0-%E5%A4%A7%E4%BD%9C/dp/4620310476
知人の仮説に従えば驚くべきことに、今回の問題は容易に説明がつく。
「親中」「媚中」派の有力組織である創価学会・公明党は、「ひとつの中国」論を楯にして、中国による台湾の併呑を容認している。その障害となるのは、李登輝氏が登場し、台湾が民主化されて以来顕著になった「台湾人」のアイデンティティである。「私は台湾人であって、中国人ではない」と考える台湾人が多数派である限り、中国による台湾併呑は容易には実現できない。そこで重要になるのが、台湾人に「反日」感情を植え付けることだ。そうすれば、あとはどうにでもなる、と中国は考えるだろう。
その思惑に忠実なのが、今回、NHKスペシャルを作った人たちだと思われる。NHKのドキュメンタリーは信頼性も高いと思われてきたから、台湾でこれを放送して「日本統治時代、日本はこんなに残虐だった」というキャンペーンを張ることも可能なのだ。
NHKの関係者のなかに、上記のような宗教団体支持者がいるのかどうか、極めて注目される。