エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

お正月に 会津の食文化を楽しむ

2006-01-10 | エッセイ

 お歳暮に従兄弟宅を訪ねた。お正月の準備にかかっていた奥さんが、味はどうと言って
棒タラを出してくれた。久しぶりの味に、懐かしくご馳走になった。小さいころ、この時期、魚屋の店先には新巻鮭が何本も吊され、バケツの水には大きな乾燥したタラがうるかしてあった。母が1匹ずつ品定めをして買い求めた暮れのにぎわいが懐かしく思い出された。
 会津のごっつおうには、棒タラの他、こづゆ、ニシンの山椒漬け、鯉の甘煮などが挙げられる。昔、海産物は新潟から阿賀野川を遡り、山国会津へ運ばれ保存食となった。そして土地の風土に育まれ、細々継承されて郷土の料理として残った。
 これらの料理は、地場の漆器や焼き物に盛られてさらに美味しくなる。さらに、これらを魚に地酒の一杯がたまらない。
 お正月には庭の雪を愛でながら、豊かな会津の食文化を楽しみたいと思っている。