昨夜まで降り続いた雪も一休み、久しぶりの陽ざしを受けながら散歩に出た。
いつも、散歩の途中に考えたり感じたことをメモしているが、最近はデジカメ持参である。この時季、凍てつく寒さにペンを取る辛さが救われ、帰宅してパソコンでながめて、そのときの思いや情景を思い浮かべている。
今朝は、会津五桜の一つ、近くの石部桜を訪ねた。春には見事に咲き誇り衆目を集める樹齢六百年の古木は、飯盛山を背にひっそりと雪に埋もれていた。周囲の田を覆う真っ白な雪原にウサギの足跡を見つけ、取り残しの柿がワンポイント、静寂に鮮やかだった。
見上げる桜の梢に冬の空がまぶしく、眼下に広がる若松市街の雪景色がどこまでも澄み切って美しかった。
ふと目を移すと、しばらく見ないうちに、辺りには新しい街ができたように住宅が建ち並んでいて、びっくりした。開発が進んで、もう、二,三十年前の、郷愁を誘う里山の景色だけを視野に入れることは難しくなったんだ、と思った。