エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

こたつで秋を思う

2006-01-13 | 日々の生活
今年は元旦早々に雪道にはまった車を助けて、腰を痛め大変でした。ようやく治りかけたところでしたが、今朝、散歩の帰り、また同様のワゴン車に遭遇。1時間かかってやっと脱出。またまた腰痛です。
久しぶりに南からの風に、春を錯覚しそうでした。でも、おとといは当地、最低気温-14.5℃、今年は異常に寒い冬です。

今日のエッセイ
 「こたつで紅葉(もみじば)をながめる」

 読みかけの本から、しおり代わりにしている紅葉したソメイヨシノの葉が落ちた。秋の日に押し葉にして、透明フィルムでラミネートしたものだった。葉は赤から黄色のグラデーションが実に美しい。
 ルーペで覗いてみると、葉脈の網目や鋸状の縁取り、虫の食痕などが鮮やかで興味深く、不思議の世界だった。無限に舞い落ちた枯れ葉は、やがて分解されすべてが土へ帰る。でもその前の輝く生命を残したかった。何枚かのラミネートには、他にイロハモミジ、エノキ、ニシキギなど、それぞれに美しい新鮮な色合は秋そのままだった。これら、自然の造りものはいずれも美しく整い、あらためて感嘆させられた。
 冬、こたつに当たりながらの読書に、はからずも身近な自然の造形を見つめることとなった。ふと、ついこの間過ぎ去った季節を思い、時の流れに沿いながら生きる日々をぼんやり考えた。