エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

スケッチに出かける

2006-01-12 | スケッチ
今日のエッセイ

「生き方考えた磐梯との対話」

 正月の朝、快晴に誘われスケッチに出かけた。高台からの眺めはすばらしく、会津盆地を朝霧が覆い、その白い海の上の澄みきった青空に飯豊山が雄大に聳えていた。
 車を捨て、踏みしめる雪鳴りを楽しみながら田の畦を進んだ。深閑とした雪原に枯れススキが揺れ、細やかな雪がキラキラ輝いていた。正に時は静かに流れていた。磐梯山は杉木立を前景にすがすがしく聳え、その敬虔さにただただ立ちつくすだけであった。何も言わず、泰然と聳える磐梯にまたも救われた。
 大病後二年数ヶ月になるが、まだ不安だらけで、いつもか細い身体をいたわり、静かに穏やかに、愛おしみ過ごしたいと思っている。そしてこれからの日々が心の豊かさを訪ねる旅でありたいと新年の思いを新たにした。
この、何を持ってしても表現できない美しい磐梯との数時間の対話は、私にとって生き方を見失いつつあるこころを整理する豊かなひとときとなった。