ここ数日ですっかり夏の庭になった。
遅くまで芽を出さなかったムラサキシキブやサルスベリの新芽がようやくふいてきた。ウメやサクランボも丸く膨らんできた。何もなかった冬の庭を思い、今の緑うっそうとした庭に驚いている。
今日は鉢物の植え替えをした。松の盆栽は大粒の赤玉土、桐生砂を混ぜた用土で植え替えたが、一本は長男が生まれた年に実生から育てた吾妻五葉で35年ほどになる。一時は、サツキ盆栽にも凝っていたが、引っ越しの度に減ってしまったり、水やりが大変なので庭に下ろした。花びらのくっきりした日光や晃山が好きだ。庭には大盃や博多白、光琳が毎年花を咲かせてくれる。
カトレアのキンギアナムも株分けして植え替えた。これは高芽繁殖で毎年増え、もう10鉢を越えてしまった。冬の間、家中に取り込んでいた鉢を庭の定位置に置いた。
鉢一杯に廻った根を切りつめ、清々した鉢を並べた。何も言わない植物も毎日見ていると実に愛おしいものだ。
プランターに植えたキンギョソウ、マリーゴールドが華やかに咲いている。
庭のスズランを手折り一輪挿しに挿した。ほのかに高貴な香りが漂い、机の上が爽やかになった。