野の花はどれも美しい。どれも個性的で魅力的だ。けなげに咲き、精一杯生きて静かに逝く。そしてまた巡る春に新しいいのちが芽吹く。
山野草が好きだ。若松市内では山野草を置く園芸店はあまりないので、福島や須賀川、まで足を伸ばす。先週は新潟まで行ってきた。年数回、近くの愛好会の野草展も楽しんでいる。もう数え切れないほどの小さな山野草を求めてきたが、管理が下手なので、少し鉢で楽しむと、後はほとんど庭の地に下ろしてしまうことが多い。
雪の下から春一番に咲くユキワリソウ、フクジュソウ、花が終わった白や黄色のイカリソウ、チゴユリ、今咲いているマイズルソウ、スズラン、ヒメウツギ、ヒトリシズカなど、所狭しと与えられた領域で元気に育っている。これからが楽しみなクガイソウ、ハクチョウソウ、・・・・。これらは、環境が合っていて、毎年花を咲かせ年ごとに少しづつ殖えているが、消えてしまったものも限りない。
小品盆栽で鉢に植わったものを求めてきたのだから、一番は難しいのは用土の配合だろう。
【可憐に咲くハルサメソウ】
今、鉢のまま殖えているのがハルサメソウだ。名前が分からなかったが、昨日、近所の山野草愛好家に教えて頂いた。手持ちの4~5冊の山草図鑑には載っていないし、ネットで調べても同じものはなく、似たものはユキノシタ科とあった。
ハルサメソウは、葉は厚手の放射状の掌状複葉で 真ん中から10センチほどの花柱を真っ直ぐ伸ばし、房状の花序の先端から5ミリほどの小さい白いきれいな花が咲く。花弁は5枚で中央に黄色、雄しべの10本の花糸に付く橙色の葯がきれいだ。
ルーペでじっくり観察してみた。見事なデザインに感心させられた。他の花も見て回ったが、いづれも神様が作ったこの上ない美しいいのちに違いなかった。