天気がいい日には、里山へ行きたくなる。病気だろうか。
わずか2時間ほどだが、自然の中ですべてを忘れて過ごす時間は幸せだ。
虫たちの世界でこころ癒されている。
しかし、いつもは震災の現状、特に原発事故の不安に心が晴れず、もやもやしている。
被災者の辛さに日本中が沈んでいる。
そんな中に、静かな里山を巡る、こころやすらぐ穏やかな生活に、ときどき後ろめたさを感じている。
こんなことをしていては申し訳ないと。
まもなく、知り合いだったM先生ご一家が我が家の隣に引っ越してこられることになった。
20年前、私がいわきの単身赴任から会津へ戻ったその年、M先生は同じ学校に新採用で赴任して来られた。
その後、M先生は浜通りに転勤されたが、ご出身が浪江町でもあったので、震災後どうされているか心配していた。
先月はじめ、ようやく所在がわかり電話で懐かしい声を聞いた。でも、慰めの言葉もなかった。
ご実家のすべてを津波に流され、原発避難区域でもありご両親やおばあちゃんと会津に避難していたのだ。
震災後2ヶ月を過ぎた頃に20年ぶりの再会、そして引っ越しに至るまでのいろいろ不思議な縁を感じている。
原発事故はまだまだ予断を許さない。ふるさとへは戻れないご一家の先々を考えると切なく心が痛む。
辛く切ないこころはなかなか癒えないだろうが、少しでも安らぎを取り戻して欲しいと願っている。